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「殺伐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

殺伐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
血筋を引いているのか、それともふだんから熊や狼を相手にしているので、自然にそんな殺伐な人間になったのか。さびしい山奥から急に華やかな江戸のまん中へほうり出された....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
く、日本でも諸国からいろいろの人間が寄りあつまって来ていますからね。どうも人気が殺伐で、喧嘩をする奴がある、悪いことをする奴がある。それにね」と、かれは更に顔を....
自叙伝」より 著者:大杉栄
をあげて引きあげた。 四 僕はこんな喧嘩に夢中になっている間に、ますます殺伐なそして残忍な気性を養って行ったらしい。何にもしない犬や猫を、見つけ次第にな....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
等だ。」と、藤崎さんは鰻を食いながら考えていました。かえり討やら仇討やら、色々の殺伐な舞台面がその眼のさきに浮び出しました。 早々に飯を食ってしまって、藤崎さ....
続獄中記」より 著者:大杉栄
ボを放してやらしたのだ。 僕は、今世間で僕を想像しているように、今でもまだごく殺伐な人間であるかも知れない。少なくともまだ、僕のからだの中には、殺伐な野蛮人の....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
さまを始め、気高い仏でありながら、剣や弓矢などの武器を手にして、ふりまわしている殺伐なものと、だいたいこの二つに分けられるのであった。 「仏も、遂には人間の悪を....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
に流行ったもので、怪談師の眼吉などいうのが最も名高かった。戦争の後ですから惨忍な殺伐なものが流行り、人に喜ばれたので、芳年の絵に漆や膠で血の色を出して、見るから....
黒百合」より 著者:泉鏡花
が食えないという意だそうな。 滝太はその可愛い、品のある容子に似ず、また極めて殺伐で、ものの生命を取ることを事ともしない。蝶、蜻蛉、蟻、蚯蚓、目を遮るに任せて....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
生活……随分楽しかった思い出の種子もないではございませぬが、何を申してもその頃は殺伐な空気の漲った戦国時代、北條某とやら申す老獪い成上り者から戦闘を挑まれ、幾度....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
高座へ上るには二尺余りの鉄扇を持って出て、毎晩舞台を叩きこわしたそうだが、そんな殺伐なことがまだ戦国時代の血腥い風の脱け切らぬ江戸ッ子の嗜好に投じて、遂には市川....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
う。此の際、三井寺方の申条に対し瞋恚を抱き、喧嘩、強訴、仕返し、その他何によらず殺伐なる振舞いを企つるものあらば、屹度そなたから留めて貰い度いのじゃ。頼んだぞ源....
母と娘」より 著者:岡本かの子
心の底に広大な温かい人類愛が欠けて居たからです。ドイツの娘達が男子と一緒になって殺伐な競走ごっこばかりして居たからです。スポーツも必要ですけれど心の底の優しい愛....
妖怪学」より 著者:井上円了
弁舌よく、それがために吉なることあり、また損耗することあり、女難などあり、内心に殺伐の気あり。慎むべし。 八白に生まるる人は、性剛にして、表は温順なるものなり。....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
があるので、座方も遂に我を折って彼の希望を容れたのであるという。いずれにしても、殺伐な事件や陰惨な空気がこの狂言の生命であるから、原作そのままでは到底警視庁の許....
民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
かす信念の力について改めて説くまでもないことを感じます。 今日では、レーニンを殺伐な組織の上の革命家とのみ見るものは少なくなったようです。彼は、殉教者であり、....