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「殺到〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

殺到の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ずわっと上げると、始めのひるんだけしきにも似ず一度に備えを立て直して、猛然として殺到する。沙金《しゃきん》も、今は弓にたかうすびょうの矢をつがえて、まだ微笑を絶....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
を立て直すと、いずれも犬のように歯をむき出しながら、猛然として日本騎兵のいる方へ殺到した。すると敵も彼等と同じ衝動に支配されていたのであろう。一瞬の後には、やは....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
き上り、又倒れたろう。 お前たちが六つと五つと四つになった年の八月の二日に死が殺到した。死が総《すべ》てを圧倒した。そして死が総てを救った。 お前たちの母上....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
軍――実質はそれだけなかったと言われておりますが――を集めて、四方からフランスに殺到して来る熟練した職業軍人の連合軍に対抗したのであります。その頃の戦術は先に申....
空中墳墓」より 著者:海野十三
十年後の今日、発見されたことがわかったが最後、可哀想な松井田は警官と新聞記者とに殺到されて、あの男の頭はどこまで変になるか知れないのです。折角判るべき松風号の消....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
を感づいたのだろうが、そのときはどうにもならないところへ達していた。女たちは金に殺到して、そのゴールデン・バットを強要した。金としては思う壺だったろう。バット一....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
声を聞きつけて、応援隊が飛びこんで来た。痣蟹は警官隊と聞くと舌打ちをして、入口に殺到した劇場の若者を押したおし、廊下へ飛びだした。アレヨアレヨという間に、階段か....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
く侵入し来たB29の大群。それが今夜は、まさにわが家上空を飛んで東方・渋谷方面へ殺到し、やるなと思う間もなく同方面に焼夷弾の集中投下を見る。例のとおり華やかな火....
海底都市」より 著者:海野十三
昂《げきこう》とはその頂点に達した。ついに彼らは鬨《とき》の声をあげて、僕の方へ殺到した。手に手に異様な凶器《きょうき》を持ち、目玉をむき出し歯をむき出して、怒....
火星探険」より 著者:海野十三
大群が引越しをするような有様で、隊伍をととのえて沙漠を横断し、この宇宙艇へ向けて殺到する勢いを示したのである。 ああ、危機来る! こっちは僅か十人足らずの地....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
て、突然乗船命令が出た。 一同は、水兵たちの制するのもきかず、われがちに桟橋へ殺到した。それを一人一人乗船させる。 三千何百人の乗船には、たいへん手間どった....
」より 著者:池谷信三郎
、青い瞳に憂鬱な恐怖を浮べ、まるでソドムの美姫のように、赤い電灯の点いた非常口へ殺到した。ソプラノの悲鳴が、不思議な斉唱を響かせて。……彼女たちは、この力強い効....
不周山」より 著者:井上紅梅
三 天気の非常に寒いある日、やや騒々しさが聴えた。それは禁軍がとうとう殺到してきたのである。彼等は火の光と煙塵の見えないときを待っていたから、到著が遅....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
質として決して好い加減に書擲ったものではないだろうが、三方四方の不平不満が一時に殺到する心的葛藤に忙殺されていては、虚心|坦懐に沈着いて推敲鍜練していられないの....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
場を右翼に決定、強大兵団をこの目的に応じて戦略展開を行ない、一挙に敵軍の左側背に殺到せんとしたのである。 今日でもなお民族性が会戦指揮方針のみならず軍事の万般....