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「殺意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

殺意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
、気違いのように椅子から立ち上った。彼の顔には、――血走った眼の中には、凄まじい殺意が閃《ひらめ》いていた。が、相手の姿を一目見るとその殺意は見る見る内に、云い....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
麻雀倶楽部で拾った毒物のついた綿は、誰が落したのであるか。 園部が星尾に対して殺意を生じたわけが、始めてうまく説明がつくようになった。その綿は無論、園部が犯行....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
は信じます。短刀は、唯、手に遊ばしていただけと存じます」 「そんならお前は、僕に殺意があったと……。ウ、ウ……おれにも判らない」 医者の来たのは五十分の後のこ....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
」警部はきいた。 「私のでは御座いません」 「いえ、課長どの。この男が赤星龍子に殺意を持っていたことは確かなんです。この手紙をみて下さい」そう云ってる多田は、龍....
三人の双生児」より 著者:海野十三
かも知っているのだ。この上妾は黙って聴いているにたえなかった。たとえ妾に恐ろしい殺意がなかったにしろそれを証明することは面倒なことだし、それに妾が寝室へ曲馬団崩....
蠅男」より 著者:海野十三
早く彼を殺さねばならぬ。しかし予は懼れる。あの悧発な『縮小人間』が予のこの危惧と殺意に気づかぬ筈はないのだ。今や時既に手遅れなのではあるまいか。 予は今日にな....
自叙伝」より 著者:大杉栄
仲直りの時に僕は彼女にそう言ったのだ。そして今、ゆうべ僕は、彼女の顔の中に確かに殺意を見たのだ。 五 彼女は散歩から帰って来た。僕は机に片肱をもたせかけ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
といえよう。すると、座間一人がなんと思ったのか、強くゆくことを主張したのである。殺意が……、この静かな男の面上を覆い包んでいるのを、そのとき誰も気が付くものはな....
火薬船」より 著者:海野十三
神技というべきわざをもっている。だが今は曲技くらべではない。丸本は、竹見が自分に殺意を持っていると見て、大立腹だ。ぴゅーととんでくるナイフを、ぴたりと片手でうけ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
殺そうと思い立ったのか。それとも、久し振りでピアノの音を聴いて、不意にむらむらと殺意を起こしたのか。なにぶんにも相手が相手ですから、普通のわれわれの考えでは確か....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
貝という客だと教えしより、泥酔していた小牧は、むかしの恨みを思い出してむらむらと殺意を生じ、納涼に行く振りをして表へ飛び出し、彼のあとをつけて含満ヶ渕まで行くと....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
たが、後にはそれを疑って是非とも我が子に逢わせてくれと言い、その捫着から延津弥が殺意を生じたのであろうと解釈する者もある。しかし八月二十一日の頃には千生を自分の....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
だ。君は僕から見て事件から無関係であるとしても、綿井氏が機に乗る前から、秀岡氏に殺意を抱いていたものとは考えられぬ。何故となれば二人は飛行場で初めて顔を合わせた....
あの顔」より 著者:大倉燁子
を見ていると憎くなると仰しゃった、その時已にあなたは手こそ下さないが、心には充分殺意を生じていたのだ、と、私は見ているんです」 「ああ恐しい、そんなこと、――先....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
ろう。ああ武雄は可哀想だ! と思うと眼の前の文夫さんが急に憎くなり出して、遂いに殺意を生じたのだといいますが、それは少し怪しいと思います、文夫さんの方では叔父様....