»
殻
「殻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ただ》凍《い》て切った道に彼等のどちらかが捨てて行った「ゴルデン・バット」の吸い
殻が一本、かすかに青い一すじの煙を細ぼそと立てているばかりだった。………
二
....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ど小僧が吊《つり》ランプへ火をとぼして、夕暗の流れている往来へ、まだ煙の立つ燐寸
殻《マッチがら》を捨てている所だったのでございます。
それ以来、私は、前よりも....
「河童」より 著者:芥川竜之介
てい獺の毛皮です。わたしもあの戦争の時には硝子《ガラス》を製造するほかにも石炭|
殻《がら》を戦地へ送りました。」
「石炭
殻を何にするのですか?」
「もちろん食糧....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
出した。保吉は「朝日《あさひ》」を一本つけ、前よりも気楽に歩いて行った。
石炭
殻《せきたんがら》などを敷いた路は爪先上《つまさきあが》りに踏切りへ出る、――そ....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
は穴の中に、臼は台所の土間《どま》の隅に、蜂は軒先《のきさき》の蜂の巣に、卵は籾
殻《もみがら》の箱の中に、太平無事な生涯でも送ったかのように装《よそお》っている....
「死後」より 著者:芥川竜之介
いたことがある、――僕はそんなことを思い出しながら、いつか書斎でも何でもない、枳
殻垣《からたちがき》に沿った道を歩いていた。
道はもう暮れかかっていた。のみな....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
本のマッチの火は海松《みる》ふさや心太艸《てんぐさ》の散らかった中にさまざまの貝
殻を照らし出していた。O君はその火が消えてしまうと、又新たにマッチを摺《す》り、....
「運」より 著者:芥川竜之介
、黙った。青侍は、爪で頤《あご》のひげを抜きながら、ぼんやり往来を眺めている。貝
殻のように白く光るのは、大方《おおかた》さっきの桜の花がこぼれたのであろう。
「....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
に集めて、やはりこちらを見返すようでしたが、見る見る内に形が薄くなって、最後に貝
殻のような※《まぶた》が落ちると、もうそこには電柱ばかりで、何も怪しい物の姿は見....
「或る女」より 著者:有島武郎
テリカルに笑い出すような事もあった。
木村を払い捨てる事によって、蛇《へび》が
殻《から》を抜け出ると同じに、自分のすべての過去を葬ってしまうことができるように....
「或る女」より 著者:有島武郎
う議論が守旧派の人々の間にはかまびすしく持ち出されている間に、その反対の傾向は、
殻《から》を破った芥子《けし》の種《たね》のように四方八方に飛び散った。こうして....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
募《つの》っていた。赤坊の泣くのに困《こう》じ果てて妻はぽつりと淋しそうに玉蜀黍
殻《とうきびがら》の雪囲いの影に立っていた。
足場が悪いから気を付けろといいな....
「親子」より 著者:有島武郎
える場所を除いては、紫色に黒ずんで一面に地膚をさらけていた。そして一か所、作物の
殻を焼く煙が重く立ち昇り、ここかしこには暗い影になって一人二人の農夫がまだ働き続....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
有っているように、私もまたその全体の中で厳しく働く力の総和なのだ。お前は地球の地
殻のようなものだ。千態万様の相に分れて、地
殻は目まぐるしい変化を現じてはいるが、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いとど得意な面持で天狗さんはそう言って、つづいて手にせる枝をば、あたかもそれが芋
殻でもあるかのように、片端からいき※っては棄て、すっかり粉々にして了いました。 ....