»
殿
「殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
それを見ると、吹いていた笛を腰へさして、叮嚀におじぎをしながら、
「もし、もし、
殿様、あなた方は一体、どちらへいらっしゃるのでございます。」と尋ねました。
す....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
一
先頃|大
殿様《おおとのさま》御一代中で、一番|人目《ひとめ》を駭《おどろ》かせた、地獄変....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
拙者の眼がね違いばかりではすまされぬ。改めて三本勝負を致されるか、それとも拙者が
殿への申訳けに切腹しようか。」とまで激語した。家中の噂を聞き流していたのでは、甚....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
まん》な性質のものではなかったかも知れない。が、彼自身が見せびらかさないまでも、
殿中《でんちゅう》の注意は、明かに、その煙管に集注されている観があった。そうして....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ら、また煙草《たばこ》を一服吸いつけた。
「今日の当番は、伝右衛門《でんえもん》
殿ですから、それで余計話がはずむのでしょう。片岡なども、今し方あちらへ参って、そ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
むよりしては首を取らりょと覚悟した』と、大声《おおごえ》に歌をうたいながら、織田
殿《おだどの》の身内に鬼《おに》と聞えた柴田《しばた》の軍勢を斬《き》り靡《なび....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
れは?」
「四日ほど前のことでございまする。御指南番《ごしなんばん》山本小左衛門
殿《やまもとこざえもんどの》の道場に納会《のうかい》の試合がございました。その節....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
たびの路用を資《たす》くるのみ。わが私《わたくし》の餞別《はなむけ》ならず、里見
殿《さとみどの》の賜《たま》ものなるに、辞《いろ》わで納め給えと言う。」――僕は....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
えるされむに住む靴匠《くつしょう》でござったが、当日は御主《おんあるじ》がぴらと
殿《どの》の裁判《さばき》を受けられるとすぐに、一家のものどもを戸口《とぐち》へ....
「墓」より 著者:秋田滋
やや低かったが、喋ってゆくにつれて、それもだんだんしッかりして行った。 「裁判長
殿、 陪審員諸氏、 申し述べておきたいようなことは、わたくしにはほとんどござ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たのである。 翌朝パリスはファラデーから次の簡単明瞭な手紙を受け取った。 「貴
殿が昨日油だと言われし物は、液体の塩素に相成り申候。 ファラデー」 かく、自己....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ら、それはそれは優しくて、聖母の眼つきにそッくりと申したいほどでした。年をとった
殿様は、その娘を自分の屋敷へつれて行ったのですが、まもなく、その娘が側にいなけれ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を即座に現金にかえて、その金を広大な未開地に投資して、荒野のなかに板ぶき屋根の宮
殿をつくることもできよう、などと考えた。いや、彼の性急な空想ではすでにこんな希望....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ることが出来ぬわれわれは、ひとの生命を尊重せざるを得ないのだ。戸籍よ、役場という
殿堂を総轄する輝ける神よ、われは汝に礼拝す。汝は自然よりも強し、ああ。 七月三....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ているのだ。知っているからこそお前に相談をするのだ。実はあの朝太郎というお子は、
殿のお世継の吉松様という方なのだ。さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ち....