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殿原
「殿原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殿原の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
なや思はじ思ふかひなし
これは云うまでもなく御姫様が、悪戯《いたずら》好きの若
殿原から、細々《こまごま》と御消息で、鴉《からす》の左大弁様の心なしを御承知にな....
「門」より 著者:夏目漱石
うんと力を入れて耳まで赤くした。 そのほかに迎年《げいねん》の支度としては、小
殿原《ごまめ》を熬《い》って、煮染《にしめ》を重詰にするくらいなものであった。大....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
いる腰を無理に引伸ばし、薄い白髪鬢を墨に染め、可笑しい程派手な衣裳好みをして、若
殿原に先をかけられまいという心遣いや金づかいに糸目を附けず。日本中を真半分に割っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 なんとも手のつけようのないのは、卒塔婆小町の婆さんで、なぜ、この品位ある若
殿原《わかとのばら》が、寺男の米友風情に、こうまで罵られて言句がつげないのか、ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
幸か不幸か、道庵先生がソクラテスほどの哲人でなかった代りに、相手がギリシャの若
殿原《わかとのばら》ほどの弁論家でなかったから、霊魂は調和か、実在か、の微妙なと....
「新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
負けずにうまく食われるから全く不思議なものである。 雑煮の膳には榧実、勝栗、小
殿原を盛合わせた土器の皿をつけるという旧い習慣を近年まで守って来た。小
殿原はため....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
檀那等にはぶくべし」 といった、また左衛ノ尉の悲嘆に乱れるのを叱って、 「不覚の
殿原かな。是程の喜びをば笑えかし。……各々思い切り給え。此身を法華経にかうるは石....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
の住民は何れも平家に由縁の者で、彼等は久しく都の空気を呼吸していた。平家の公達や
殿原は其当時に於る最高等の文明人種であったのだ。随って彼等が如何なる山村僻地に流....