殿方[語句情報] »
殿方
「殿方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殿方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
》は師匠の紫暁《しぎょう》で、次が中洲の大将、それから小川の旦那と順を追って右が
殿方、左が婦人方とわかれている。その右の列の末座にすわっているのがこのうちの隠居....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
ない」と、おだやかにいった。 「いや」新一郎は、わずかに膝を乗り出しながら、「貴
殿方の御好意はよく分かっている。そのお心なればこそ、拙者に中座せよといわれたので....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
はどうなってなりとも、人も家も焼けないようにするのが道だ、とおっしゃるでしょう。
殿方の生命は知らず、女の操というものは、人にも家にもかえられぬ。……と私はそう思....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
ハア、でございますが、その方……」 といってキヨは目を円くしてみせながら、 「
殿方でございますが、とってもお奥さまによく似ていらっしゃいますの。
殿方と御婦人と....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
か」 「あなただって一目でお分りになりましょう。あたくしみたいな器量の悪い者は、
殿方が見るのもお嫌いなのでございます」 「まさか、そんなことが――」 「いえ、お....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
いますよ。」 と青月代が、襟を扱いて、ちょっと色身で応答う。 「へい、お妙齢、
殿方でござりますか、それともお娘御で。」 「妙齢の野郎と云う奴があるもんか、初厄....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
いが、もの好きに、どんな可恐い事があったと聞くと、女給と顔を見合わせてね、旦那、
殿方には何でもないよ。アハハハと笑って、陽気に怯かす……その、その辺を女が通ると....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
夫人、貴女ばかりは殺しはせんのじゃ。」 「いいえ、飛んだことをおっしゃいます。
殿方には何でもないのでございますもの、そして懺悔には罪が消えますと申します、お怨....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
字に駈け抜けるんです、怪我があると不可ません。) (可いの、貴下、婦は最期まで、
殿方が頼りです、さ、連れて行って!) と縋った手を、しっかりと取合った。 (じ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
のかわり蚊帳は差上げません。―― (ちと美しい唇に、分けてお遣んなさいまし。……
殿方の血は、
殿方ばかりのものじゃありませんよ。) と凄いような串戯を、これは貴....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
り差し出がましくて、承諾していいか悪いか分かりません。それに、私たちの会話は若い
殿方の感情をどんなに害するでしょう」と、バーグレーヴ夫人は渋るように言って、「な....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
) ははん、なるほど、いや、わらわせる。 珍妙ふしぎ、お目にかけたい。 カルタの
殿方、ずらりとならんで、 お行儀のいい、ハートのご婦人。 そちらに黒いは、クラブ....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
来られた方々に申す。拙者は旅の武士でござって、今宵この館に宿を求めた者、従って貴
殿方に恩怨はござらぬ。又この館の人々とも、たいして恩も誼もござらぬ。がしかしなが....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
「……恥しい。」 「年でもあるまい。二十越した娘を育てたものが、何、恥しい。何、
殿方に、ははは、こりゃ好いた人には娘のようじゃ。」 「夜もふけました、何事も明日....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
んですから……」 「ああ、お近さん。」 「常で沢山。……近目のようで可厭ですわ、
殿方と違いますもの――貴方は?」 「いや、それがね、申しおくれた処へ、今のような....