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殿様
「殿様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
殿様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
それを見ると、吹いていた笛を腰へさして、叮嚀におじぎをしながら、
「もし、もし、
殿様、あなた方は一体、どちらへいらっしゃるのでございます。」と尋ねました。
す....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
一
先頃|大
殿様《おおとのさま》御一代中で、一番|人目《ひとめ》を駭《おどろ》かせた、地獄変....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
《さきさま》御承知でよ。真鍮と見せて、実は金無垢を持って来たんだ。第一、百万石の
殿様が、真鍮の煙管を黙って持っている筈がねえ。」
宗俊は、口早にこう云って、独....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
て参れ。」与六「へえ」大名「急げ」「へえ」「ええ」「へえ」「ええ」「へえさてさて
殿様には……」――それから与六の長い Soliloque が始まった。
人形の....
「星座」より 著者:有島武郎
ていた。
「まあお父さんの胸の中もひととおり聞いてくれ。俺も五十二になる。昔なら
殿様に隠居を願いでて楽にくつろぐ時分だが、時世とはいい条《じょう》……また、清逸....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
てくれないか? そうすれば心配も入らないはずだから。 第一の盗人 どうだい、この
殿様に売ってしまうのは? 第三の盗人 なるほど、それも好いかも知れない。 第二の....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
よぶよと濡れて出た。いずれ、身勝手な――病のために、女の生肝を取ろうとするような
殿様だもの……またものは、帰って、腹を割いた婦の死体をあらためる隙もなしに、やあ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。どうじゃ、こちらへも酌人をちと頼んで、……ええ、それ何んとか言うの。……桑名の
殿様|時雨でお茶漬……とか言う、土地の唄でも聞こうではないかの。陽気にな、かっと....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の餡ころ餅ぼたぼたと覆すがごとく、袂に襟に溢れさして、山野の珍味に厭かせたまえる
殿様が、これにばかりは、露のようなよだれを垂し、 「牛肉のひれや、人間の娘より、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ならべたり、だったけれど、京千代と来たら、玉乗りに凝ってるから、片端から、姉様も
殿様も、紅い糸や、太白で、ちょっとかがって、大小|護謨毬にのッけて、ジャズ騒ぎさ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
」と最初から掛構いなくおっしゃって。――こちらは、それと聞きますと、お大名か、お
殿様が御微行で、こんな破屋へ、と吃驚しましたのに、「何にも入らない。南画の巌のよ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
つも出ました。最後に爺やは斯んなことを言い出しました。 『俺はこちらでまだ三浦の
殿様に一|度もお目にかかりませぬが、今日は姫さまのお手引きで、早速日頃の望を協え....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
石弓をかついだ随兵がつづきました。この行列のなかでいちばんえらそうな人は坊さんの
殿様でした。びっくりした参事官は、いったいこれはいつごろの風をしているので、この....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ら、それはそれは優しくて、聖母の眼つきにそッくりと申したいほどでした。年をとった
殿様は、その娘を自分の屋敷へつれて行ったのですが、まもなく、その娘が側にいなけれ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
金が太郎右衛門夫婦に残されました。 「何んてお目出たい話だ。お前のとこの朝太郎が
殿様になるんじゃないか。」 と庄屋の長左衛門が、駕籠の見えなくなった時、太郎右衛....