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毀す
「毀す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毀すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
いのちは、おしゃかになるぞ。 「なんだか、おかしな文句だな。さむい日というのは『
毀す』という隠語だがこれは工場なんかで使われる言葉だ。――おみねさん、この脅迫状....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
で消え、消えた後からまた浮びあがった。――銀座の花村貴金属店の飾窓をガチャーンと
毀す覆面の怪漢が浮ぶ。九万円の金塊を小脇に抱えて走ってゆくうちに、覆面がパラリと....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と、それは一つの瓦の瓶で、厚い帛をもって幾重にも包んであった。岸へ持って来て打ち
毀すと、瓶のなかからは身のたけ一尺ばかりの赤児が跳り出したので、小児らはおどろき....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
一向平気で、授業中に騒ぐのは勿論、運動時間にはさんざんに暴れまわって、椅子をぶち
毀す、窓硝子を割る、他の生徒を泣かせる、甚だしいのは運動場から石や瓦を投げ出して....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
妙なる器を再び地上に投げつける。 44 せっかく立派な形に出来た酒盃なら、
毀すのをどこの酒のみが承知するものか? 形よい掌をつくってはまた
毀すのは 誰のご....
「転機」より 著者:伊藤野枝
退きを強制することが出来るのです。」 「へえ、そんな法律があるんですか。でも家を
毀すなんて、乱暴じゃありませんか。もっとも、それが一番有効な方法じゃあるでしょう....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
亦能くせざる所なり。僕問う。「君はなぜ賄征伐をしない?」恒藤答う。「無用に器物を
毀すのは悪いと思うから。――君はなぜしない?」僕答う。「しないのじゃない、出来な....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
女はコスモを嫌ってもいない。そうして、逢いたい時はいつでも逢えるのであるが、鏡を
毀すということは、彼の真実の生活を破壊することにもなり、彼の宇宙からただひとつの....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
というものに対してちっとも尊敬心を抱いていないのとで、庭の手入れをするついでに取
毀すことになった。いや、別に取
毀すというほどの手間はかからない。大の男が両手をか....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
ある。お菊は命賭けで男の魂を探ろうと決心した。たとい一枚でも大切の宝をむざむざ打
毀すのは勿体ないと思いながら、彼女はもうそんなことを恐れてはいられなくなった。 ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
。口前の上手な事をいうのは出来なかったよりも持前の剛愎が許さなかった。人の感情を
毀すナゾは余り問題にしなかったから、人と衝突するのは馬琴の生涯には珍らしくなかっ....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
我慢しても子分たちが承知する筈がない。大勢が芝居小屋へ押し掛けて来て、木戸を打ち
毀すなどは往々ある習いだから、あの女だけはどうぞ手を切ってくれと、頼むようにいっ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
技芸は年齢以上に上達していながら、ややもすればその不愉快な音声で舞台の気分をぶち
毀す嫌いがあった。彼は五代目菊五郎の実子ではなかったが、ともかくもその家に養われ....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
坐りこむとか、食料を分配するとか、銀行や倉庫に鍬や鉄鎚を打ちこむとか、監獄をぶち
毀すとか答えるものがどれだけいることだろう。そして一言でいえば、労働者が搾取者に....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
んだ着物の間から一枚のレコードが出た、家へ帰ってかけてみたら迚も物凄かったので、
毀すのも薄気味が悪いから、納める積りでお寺の縁の下へかくしておいた、という話を聞....