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「毅然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毅然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
尊心が許したのは、ホールの環境に汚れずに、溺れるくらいダンスが好きでありながら、毅然として純潔を守って行く茉莉の自信の強さに刺戟されたからであった。 だから、....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
殺であることに変りはない。軽くても無期徒刑、重ければ斬罪じゃ」 が、万之助は、毅然としていった。 「復讐の志を立ててからは、一命は亡きものと心得ております。曽....
俊寛」より 著者:菊池寛
いると、自分自身までが情なくなる。陰謀を企てた人間として、いますこしは男らしい、毅然としたところがあってもいい。刑罰のもとに、こうまでへこたれてしまわなくっても....
深夜の市長」より 著者:海野十三
から出掛けて、二十九日の夜の殺人事件の謎を解こうというのですか」僕は深夜の市長の毅然たる面を見上げていった。「それならこっちからお願いします。連れてって下さい」....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
――って」 「ああ、いつまでも貴方は……」といったん鎮子は呆れて叫んだが、すぐに毅然となって、「それでは、これを……。この紙片が硝子の上に落ちていたとしましたな....
単独行」より 著者:加藤文太郎
をはなれし山境蒲田に第一歩を印せられて諸峰の嶮を探ぐるも意義ある事と存候、想ふに毅然たるアルプスは日本人の表兆にして登山家諸賢の御参登を仰いで初めて小生の寸志も....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
ったよ。悪趣味だね」 「なんの、合法的だよ。不正な取引はしていない」 烏啼は、毅然としていた。藤代女史は、さすがに照れて、隅っこへ小さくなる。 「だが、こんな....
地獄の使者」より 著者:海野十三
鍵がかかっていなかった。二枚の合わせ硝子戸を寄せてあっただけですから」 警部の毅然たる解答に、帆村がにんまりと笑った。 「待ちたまえ。窓枠にも窓下にも、三津子....
東京要塞」より 著者:海野十三
また一入感激させたのであった。 その忠魂記念塔は、今ではS公園内に天空を摩して毅然と建っている。そして市民たちは、毎日のようにこの新名所の前に集まってきて、か....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
雨、銃剣の垣だ! しかし川上機関大尉は、まだ電話機を離さなかった。生死を超えた毅然たる勇姿だ。 「――大日本帝国、ばんざーい」 その声が終るが早いか、電話機....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
だけで、あとは空白だった。私はその題を見ただけで、反動的ファッショ政治の嵐の中に毅然として立っている小説家の覚悟を書こうとしている評論だなと思った。このような原....
作画について」より 著者:上村松園
の舞はごく静かで上品な気分のするものでありますから、そこをねらって優美なうちにも毅然として犯しがたい女性の気品を描いたつもりです。 序の舞は、ひとつの位をもっ....
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
も、何ともかんともたとえようのない人間美の現われでなければならぬ。更にその中で、毅然として勝敗の外に立ちつつ、全局を支配して行く名将の心境(というものがあるとす....
大田垣蓮月尼のこと」より 著者:上村松園
毅然たる中に、つつましやかさ、優しさ、女らしさを備えていることは、日本女性の持つ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
く逐次戦略を変換して来た。そして状況に応ずる如くその戦略を運用し、最悪の場合にも毅然として天才を発揮し、全欧州を敵として良く七年の持久戦争に堪えその戦争目的を達....