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「母上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

母上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さき者へ」より 著者:有島武郎
部屋から退《ど》かなかった。電燈の消えた薄暗い中で、白いものに包まれたお前たちの母上は、夢心地に呻《うめ》き苦しんだ。私は一人の学生と一人の女中とに手伝われなが....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
続いて君の家に起こった種々な不幸がさせるわざだ。長わずらいの後に夫に先立った君の母上に始まって、君の家族の周囲には妙に死というものが執念くつきまつわっているよう....
星あかり」より 著者:泉鏡花
えると、まだ三時には間があったので、最う最うあたまがおもいから、そのまま黙って、母上の御名を念じた。――人は恁ういうことから気が違うのであろう。....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
だが、母もマリヤもおれがこう※死に死ぬことを風の便にも知ろうようがない。ああ、母上にも既う逢えぬ、いいなずけのマリヤにも既う逢えぬ。おれの恋ももう是限か。ええ....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
は一つとして憂愁を癒すに足らず、転た懐旧の媒となりぬ。ただ野田山の墳墓を掃いて、母上と呼びながら土に縋りて泣き伏すをば、此上無き娯楽として、お通は日課の如く参詣....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。熟せしものにはあらず、毒なればとて、亡き母棄てさせたまいぬ。 いつなりけむ、母上の給いたる梨の、核ばかりになりしを地に棄てしを見て、彼処の継母眉を顰め、その....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
せん。銑さん、まあ、何てこッてしょう、どうした婆さんでしょうねえ。」 されば叔母上の宣うごとし。年紀七十あまりの、髪の真白な、顔の扁い、年紀の割に皺の少い、色....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
を左記の如く分配します。父上には一ばんいい絵、スケッチ、地図、額ぶちづき美術品。母上には、衣類全部、ただしポケットのある青いエプロンはべつ。それから、わたしの肖....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
わしに急わしい思いをさせるわい。 どれ、この臓腑奴を次の部屋へ引きずって行こう。母上、お寝みなされ。さてもさて、この顧問官殿もなあ 今では全く静肅、秘密を洩らし....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
をじろりと見た。見られたのは播磨である。彼も慌てて会釈した。 「おお、小石川の伯母上、どうしてここへ……」 「赤坂の菩提所へ仏参の帰り途によい所へ来合せました。....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
ば自殺せむと思うことなかれというなり。詮ずれば秀を忘れよというなり。その事をば、母上の御名にかけて誓えよと、常にミリヤアドのいえるなりき。 予は黙してうつむき....
清心庵」より 著者:泉鏡花
しつ。中ざしキラキラとさし込みつつ、円髷の艶かなる、旧わが居たる町に住みて、亡き母上とも往来しき。年紀少くて孀になりしが、摩耶の家に奉公するよし、予もかねて見知....
三枚続」より 著者:泉鏡花
怒ってる時でも莞爾しまさあ。 お夏さんは飛んだその鶏を可愛がってます。それから母上はいうまでもありませんが、生命がけで大事にしているお雛様がありますよ。 十....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。あの人はロバではありませんよ」と伯母がいうと「じゃあロバにしておきましょう、伯母上。こいつは獣のなかでも一番悪い奴ですよ」 伯母さんがいってしまうと、この会見....
古事記」より 著者:太安万侶
國を治めないで泣きわめいているのか」といわれたので、スサノヲの命は、「わたくしは母上のおいでになる黄泉《よみ》の國に行きたいと思うので泣いております」と申されま....