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母乳
「母乳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母乳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
て朝田《あさだ》社長の邸《やしき》に通いだしてから五日目の朝、彼女の赤ん坊は急に
母乳を離れてミルクについたためか、熱を出したのだった。 しかし、彼女は気にはし....
「乳房」より 著者:宮本百合子
きの声をしぼって頭をふっている。ひろ子はおしめを代えた。消化不良の便が出ていた。
母乳のほかに山羊の乳をのませろと医者に言われて、お花さんは自分の稼ぎのつづく日に....
「創生記」より 著者:太宰治
丈のび、暗黒の洞穴、どんどん落下しながら手さぐりの恋をして、落下の中途にて分娩、
母乳、病い、老衰、いまわのきわの命、いっさい落下、死亡、不思議やかなしみの嗚咽、....
「たずねびと」より 著者:太宰治
泣き通しでした。この下の子は、母体の栄養不良のために生れた時から弱く小さく、また
母乳不足のためにその後の発育も思わしくなくて、ただもう生きて動いているだけという....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
棒|尖《さき》に刺して立て、死者が冥界にあってもこの世と斉《ひと》しく天幕に住み
母乳を飲み、牡馬に乗り馬を飼い殖やし得と信じた。今日もシベリアのブリヤット人死ぬ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
であった。しかし、かなしいことが一つあった。年寄った看護婦さんが、 「お嬢さんは
母乳ですか牛乳ですか」 と母に尋ねたらしい。とにかく、 「殆ど、牛乳でございま....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
、牛乳よりはどんなにましだか分りませんよ。牛乳をおやりなさると……。」 牛乳と
母乳との講釈が出そうになったので、順造は至急に頼むと云い捨てて飛び出した。 空....
「裸木」より 著者:豊島与志雄
武田は無神経なほど落付払っていた。或は何にも感じなかったのであろう。敏子と、
母乳がどうだとか牛乳がどうだとか、そんなことを話し初めた。 佐野は口を噤んでそ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
しかもその運命は、生れてすぐの子供にとってはほとんどその生活の全部だともいうべき
母乳が、母の乳房に十分めぐまれていなかったという事実にはじまったのである。もっと....
「食べもの」より 著者:佐藤垢石
り手真似で、無い袖をひらひらさせるかという難問に逢着するのであるが、人民の悉くが
母乳を欲するように心から憧憬ているのは、人間味豊かな為政者の思いやりである。末端....
「うむどん」より 著者:佐藤垢石
お母さん、僕うむどん大好き』 大きな子供は、こういって相好を崩した。この子供は
母乳が少なかったので幼いときから饂飩を食べならされていた。だから、いまでも饂飩が....
「凍雲」より 著者:矢田津世子
牛乳は一日にこれこれの分量で、と説明したのち、 「あまり丈夫なほうでねえからね、
母乳が一番ええどもなし」と、つけ足した。 仙太は中町をまわって、知らず識らずの....
「おさなごを発見せよ」より 著者:羽仁もと子
に大切なその方向と手段を私たちに示してくれるものです。 生まれたての赤ん坊に、
母乳は最良の食物であることはわれわれの育児知識です。まず第一に赤ん坊がお腹《なか....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
危険なりと主唱しました。その証例に牛乳のみを以て小児を養育する地方の小児死亡数は
母乳のみを以て養育する地方の死亡数より五十倍多いという事を挙《あ》げてあります。....
「童子」より 著者:室生犀星
母親に脚気があるので
母乳はいっさい飲まさぬことにした。脂肪の多い妻は生ぬるい白い乳をしぼっては、張っ....