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母性
「母性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
恐ろしい沈黙の中から起こる強い快い赤児《あかご》の産声《うぶごえ》――やみがたい
母性の意識――「われすでに世に勝てり」とでもいってみたい不思議な誇り――同時に重....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
る本尊さまがあるのかを知らねば駄目だ」 「本尊さまって?」 「端的に云えば、君は
母性慾に燃えているのだ。君の自分の血を分けた子孫を残したがっているのだということ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
肉はまだ充分発達しない寂しさを見せてはいるが、腰の骨盤は蜂型にやや大きい。そこに
母性的の威容と逞ましい闘志とを潜ましている。 蒼空は培養硝子を上から冠せたよう....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
を別々に離した。そして滋養を与えるために白身の軽い肴を煮ていると、復一は男ながら
母性の慈しみに痩せた身体もいっぱいに膨れる気がするのであった。 しかし、その歳....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ナポレオンの姿が、靉靆朦朧と魅力を帯びて泛び出して来た。かの女はその時、かの女の
母性の陰からかの女の女性の顔が覗き出たようではっとした。だが、さっさと面会を約束....
「河明り」より 著者:岡本かの子
いっちゃ何ですが、僕は子供のときはおっとりして器量もなかなかよく、つまり、一般の
母性に恋いつかれるように出来た子供だったらしいのです」木下は苦笑しながら云った。....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
から十年近くも経つのに彼女は相変らず遊び女を勤めている。リサに言わせると遊び女は
母性的な彼女の性格には一番|相応しい職業だといっている。彼女は巴里へ来たての外国....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
な者の子によくもそんな男の子が……と言えば「あなたの肉体ではない、あなたの徹した
母性愛が生んだのです」と人々もお前も、なおなお勿体ないことを言って呉れる。 私....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た御礼詣りに亜いで多いのは病気平癒の祈願、就中小供の病気平癒の祈願でございます。
母性愛ばかりはこれは全く別で、あれほど純な、そしてあれほど力強いものはめったに他....
「母への追慕」より 著者:上村松園
でもない光景であるが、私には一生忘れられないものである。 私の制作のうち「
母性」を扱ったものがかなりあるが、どれもこれも、母への追慕から描いたものばかりで....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
の底に、医やすべからざる深い寂寞が潜むではないか。かの女の一般の若い生命を愛しむ
母性が、この青年に向ってむくむくと頭を擡げる、この青年はどうかしてやらなければい....
「春」より 著者:岡本かの子
帯だと定めてしまっていた。去年の秋、田舎から出て来た女中のお民は年も五十近くで、
母性的な性質が京子の面倒をよく見て呉れた。加奈子は近頃京子の毎日の散歩にお民をつ....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
ません。私が〈税所篤子孝養の図〉や〈母子〉など美人画にあまり類例の無いと言われる
母性愛を扱いましたのも、この母の愛が心に沁みていたからであります。 (昭和十五年)....
「お母さんは僕達の太陽」より 著者:小川未明
のです。どれ程、その力が強くして、貴いものであるか分らない。これこそ、真に日本の
母性の輝かしい姿なのであります。 望むらくは、すべてのお母さんが、子供のために....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
が母を忘れていても おまえの母の「母観世音」 いつもおまえを忘れていない 宇宙の
母性も観世音菩薩 衆生の
母性も観世音菩薩 衆生が呼べばたちどころに 難を救うは観....