母方[語句情報] » 母方

「母方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

母方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ることを聴いたので、早速訪ねて来た顛末《てんまつ》を簡潔に述べた。小松というのは母方の実家の姓だと言った。彼は次男なので、その方に子が無いまま実家の後を嗣《つ》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るが、さしあたりは父に教えられた心あたりの四、五カ所をたずねることにした。それは母方の縁者や、多年出入りをしている商人《あきんど》などの家で、あるいは青山、ある....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
の子を抱きあげて、河内軍曹への復讐を誓ったのです。その男の子――兎三夫君は爾来、母方の姓鴨田を名乗って、途中で亡くなった母の意志を継ぎ、さてこんなことになったの....
自叙伝」より 著者:大杉栄
田の出勤を待っている馬に乗っては、門内を走らして遊んでいたものだそうだ。 「この母方のお祖父さんというのが面白い人だったんだそうですね。大阪で米はんにいろいろ聞....
水の女」より 著者:折口信夫
のは、皆この類である。祖(母)神に対して、乳母神をば(小母)と言ったところから、母方の叔母すなわち、父から見た妻の弟という語ができた。これがまた、神を育む姥(を....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
衛の死んだ女房の生家だからで、喜兵衛の子供がみんな病身で次々に死ぬ。それもみんな母方の体質に欠点があるせいだ、と喜兵衛がもらしたというので、鍵タから厳重抗議の使....
貞操問答」より 著者:菊池寛
。 近代的で、スポーツマン・タイプで、清秀で明るい感じのこの青年は、綾子夫人の母方の遠縁に当るという。夫人は、この青年を、彼女の「足下」にひざまずかせようとい....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ましたものか、ただ、私は小さい時から絵が好きで好きでたまりませんでした。この血は母方から伝わったものに違いありません。母も絵心のある人でした。母方の祖父も絵が好....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
家の玄関に書生をしていた。祖父、伯叔父、一統いずれも故人だが、揃って能楽師だった母方のその血をうけて、能が好きだから、間を見ては舞台を覗く。馴染になって、元老の....
わが母を語る」より 著者:上村松園
す。 絵心のあった血統 私の絵の素質がどこからきたのかと言われれば、母方からと言えましょう。母も絵心のある人でした。母方の祖父も絵が好きでした。四条....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
しかしながら右の道鏡素性に関する問題は、その時代に往々実例を見るが如く、一皇族が母方の姓をついで臣籍に下ったものであったと解して、容易に通ずべきものなのである。....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
の下にもおりまして、両者の交通混淆も多い。皇室の御上について申さば、神功皇后の御母方は、新羅の王子|天日槍の後だとあります。また桓武天皇の御生母なる高野皇太夫人....
あの顔」より 著者:大倉燁子
たら、それは意識喪失症状で、精神病の一種なのだと申されました。そう申せば弘さんの母方の親類には発狂して座敷牢で死んだ婦人もありますし、彼の母親もひどいヒステリー....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
幸なのか、花の血統には、ああ思っても恐しい、汚れた血が流れているのでございます。母方の祖母は発病と同時に家を追われ、旅に出たまま行衛不明になってしまいました。そ....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
を差別したという事実はない。既に桓武天皇の御生母は百済氏の出であり、神功皇后の御母方も新羅の天日槍の後裔だと言われている通りで、そのほかにも支那、朝鮮から帰化し....