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母系
「母系〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母系の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
、少し快くなったような気もしたが、医者に言わせると栄養の不足から来ているのだが、
母系の遺伝だとも思われた。銀子がたまに見番の札を卸し、用事をつけて錦糸堀へやって....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しにかかる話は生ぜじ、またことごとく邪淫の念のみに起ったと想われぬ、そもそも王家
母系のみを重んずる諸国にありては、王の后が真の王権を具し、王は単にその夫たるだけ....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
権とを持っていたし、女の酋長というものも、文献の中に多勢現われている。この時代は
母系の制度が行われていた。一つの氏族内の母方の子供は、先任の酋長が男であろうと女....
「人間の結婚」より 著者:宮本百合子
た。人間そのものが性格を持つまでに分化発展していなかったのだから。 ひき続いて
母系の時代が現れたことは周知のとおりである。続いて人類社会の生産の様式が発達し、....
「先駆的な古典として」より 著者:宮本百合子
前の社会が単に無規律性交の行われていた原始状態であったのではなくて、その「血統が
母系において――母権によって」辿られたこと、その結果、女子が重い尊敬をうけた女性....
「婦人の天職」より 著者:堺利彦
小生はすこぶるその理由を発見するに苦しむものなり。人類社会の古き歴史を検するに、
母系制度と称して女子が一家一族の長たりし時代もあり。その時代には女子のために特定....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ういう調和においてみられるのか分るでしょう。上巻の半まででは分裂があるだけです。
母系時代のような子供の認めかたを主張するらしい。そして、どういう女が恋愛と結婚と....
「処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
テルとその弟)は、ヘロデが次第に老齢に入ったので、ローマから呼び返された。彼等は
母系の血統のために人民に人気があった。けれども長くローマの生活に馴れて、ユダヤ風....
「環礁」より 著者:中島敦
、考えねばならぬのだ。彼女の養父たる混血児のことは前にちょっと述べたが、パラオは
母系制だから、これはマリヤンの家格に何の関係も無い。だが、マリヤンの実母というの....
「二重人格者」より 著者:小酒井不木
重人格者となったかは、はっきりわかっていない。父が大酒家であるという外、父系にも
母系にもこれという精神異常者はなかった。ただ父方の曾祖父が、お月様を猫に噛ませよ....
「三国志」より 著者:吉川英治
も、なお小さい弟があったといわれるが、この人の伝はわからない。また、孔明には他の
母系もあったという説もあるが、それも真偽はさだかでない。 孔明の家系は、こうし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ては、そんな文雅な人を訪うのはためらわれたが、これは母との約束だった。 元来、
母系は勧修寺家の公卿出であったから、彼の母もわが子をただあじけない坂東骨一辺の粗....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、長兄経家は三十三歳ですと言い。 「なおその間に、次男の兼正がおりますが、これは
母系の一族、上野ノ国の新田義貞殿の領内、岩松と申す地に久しく在住でございまする」....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
は、後日おのずとわかってくる。なぜなら岩松党は元々、足利家の祖を父系とし、新田を
母系として生じた一支族であるからだ。 「では早々、新田殿とも打合せ、共に前途のよ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ば、帝を廃してでも、いまの恒良を蹴落して代わらせてみせる。――元々、北条家の血を
母系にもつ准后の子などを、次の皇位にすえるなどは言語道断であり、あくまで帝系の血....