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母者
「母者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
母者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
へ肩身のせまい思いをした。惣助の懸念《けねん》はそろそろと的中しはじめた。太郎は
母者人《ははじゃひと》の乳房にもみずからすすんでしゃぶりつくようなことはなく、母....
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
て蒼《あお》くなって小さくなる。女でもこれほど異《ちが》うものかと怪しまれる位。
母者《ははじゃ》ひとの御入来。 其処《そこ》は端近《はしぢか》先《ま》ず先ずこ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
むのを眺めて居る。料理が出たが、菜食主義の彼は肉食をせぬ。腹は無闇に減る。新郎の
母者人が「ドウカお吸物を」との挨拶が無い前に、勝手に吸物椀の蓋をとって、鱚のムス....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
お向いたお美夜ちゃんのかあいい顔へ、かかる。 「お母さんですよ。コレ! おまえの
母者《ははじゃ》ですよ」 お蓮様はなおも懸命に、小さいお美夜ちゃんの骨がきしむ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
います、おじぎなんぞなさいまして!」
「ははは、不見識だといわるるか。ハテ、実は
母者人《ははじゃびと》に生きうつしのそこもと、これからはまたお艶のお腹さまとして....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
、怪我はなかったということだから、妾は安心をしているのさ」 「ところが、あの人の
母者人なるものが、気を失ったということですぜ」 「まあ、よっぽど驚いたんだね」 ....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
子供のように他愛なく、こう秀次は甘えるように云った。 「俺にもお前は懐かしい。
母者人のような気持がする。俺はお前の云う通りになろう」 「ようご決心なされました....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
もあんたさん、毛色の違うた男にはな。」 と、二の足を踏んでいる母親に、姉さんや叔
母者人《おばじゃひと》たちは、 「そないに雪が、気にいらはったのなら、加藤の家に....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
して、
「どうしてそうあなた様は、父や母のことをごぞんじなのでございますか」
「
母者人の柘植ゆうと、生前近しくしておりました」
「親類の方ででもいらっしゃいます....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
かれこれする中に柏木貨一郎さんが養母とともに見える。三枝のお嬢さんお綾さんには
母者人のおびくさんが附いて見えられる。二階で落ち合って蕎麦を食べて見合いをされた....
「三国志」より 著者:吉川英治
は歓んで、夜もすがら希望に耽って、語り明かしたくらいです」 「あ。こちらが貴公の
母者人か」 「そうです。――母上、このお方です。きのうお目にかかった翼徳張飛とい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
な。よいではないか。わしはおもしろいと思うておる。ただし鎌倉の執権殿と、そなたの
母者には、べつな意味で、いずれへも聞かせられんがの。はははは」 まるで、おだて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、とくにまた、盲目の覚一を憐れんでか。 「ほ、来たな。今日は一人で来たか。いつも
母者に手を引かれている気ではいけぬ。いッそ一人で歩きつければ、今に、目明きよりは....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
で、眉目の美い八、九歳の少年が「……お母さま……」と、大声を発し、あたりの者へ「
母者がいない……
母者を捜して」と、手放しでオイオイ泣き出していたのだった。 「や....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たが、ありがたくおうけ申したわけだ。そこでな伯父上」 と、上杉憲房を見て。 「
母者のお身は、ひとつ、兄のあなたへお願いしておく」 「こころえ申した。たしかな者....