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毎夕
「毎夕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毎夕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
快である。海気をふくんで何となし肌当たりのよい風がおのずと気分をのびのびさせる。
毎夕の対酌に河村君は予に語った。妻に子がなければ妻のやつは心細がって気もみをする....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
近い。彼女は、母の慈愛をもって、幼時から信仰を捧げている浅草の観世音の前に、毎朝
毎夕ひそかに額き、おのれの寿命を縮めても、愛児の武運を守らせ給えと、念じているの....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
勢いを、ミスルの財閥や英軍がどうふせぐだろうか」 折から天空低く爆音が聞えた。
毎夕、|悪魔の尿溜からくる昆虫群をふせぐために、石鹸石、その他の粉霧を上空から撒....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
めしは床の上の死骸なり、余が心は全く彼の死骸に縛附も其儘にして又其横手には昨日の
毎夕新聞一枚と外に寸燐の箱一個あり、小棚の隅に置きたる燭台は其蝋燭既に燃尽せしか....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
呉興の章苟という男が五月の頃に田を耕しに出た。かれは真菰に餅をつつんで来て、
毎夕の食い物にしていたが、それがしばしば紛失するので、あるときそっと窺っていると....
「父」より 著者:金子ふみ子
可愛がられたことを覚えているから……。 私はいつも父につれられて風呂に行った。
毎夕私は、父の肩車に乗せられて父の頭に抱きついて銭湯の暖簾をくぐった。床屋に行く....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
如き素振を認めたる連中は、これをお通が召使の老媼に語りて、且つ戯れ、且つ戒めぬ。
毎夕|納涼台に集る輩は、喋々しく蝦蟇法師の噂をなして、何者にまれ乞食僧の昼間の住....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
壇があった。そして、小さい時から、私達子供は神様のおかげで生きているとされ、毎朝
毎夕、柏手をうっていた。で、カトリックというものがどんなものだか知らず、きっと幼....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
々は、ソレ地震だと云う大騒ぎ、ところが又忽ちに鎮って何の音もない。で、それからは
毎夕|点燈頃になると、何処よりとも知らず大浪の寄せるようなゴウゴウという響と共に....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
い名がどうして起ったかと聞くと、いつの頃のことか知らないが、麹町通りの或る酒屋へ
毎夕ひとりの老婆が一合の酒を買いに来る。時刻は暮れ六つの鐘のきこえるのを合図に、....
「西航日録」より 著者:井上円了
人中船室を同じくするもの、河合操氏(陸軍少佐)および甲賀卯吉氏(造船技師)なり。
毎夕、三人相会して船中の内閣を組織し、鼎座一卓をかこみ、河合少佐は兵事を論じ、甲....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
目に触るるなし。同市は人口五十一万四千を有し、スカンジナビア三国中の最大都なり。
毎夕チボリー園内には、納涼および遊覧者群集す。そのうちには種々の興行ものありて、....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
パニオーラ号の料理番として現れるジョン・シルヴァーなのである。スティーヴンスンは
毎夕食後家族のためにこの物語を読み続けていたが、偶々アレグザーンダー・ジャップと....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
。昼間ヴァティカンの書庫の中で史学の文献書類を調べる仕事に疲れたロランはほとんど
毎夕マルヴィーダの家――その数年前まで存命していたフランツ・リストが、そこに来て....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
ばらく行ったところにこの正さんの古物骨董の店があって、正さんは雨さえふらなければ
毎夕車の上に荷をのせて、私の家の前にうすべりを敷いてむずかしい顔をしてだまりこく....