毎度[語句情報] » 毎度

「毎度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毎度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
、さも自由になったのを喜ぶらしく、勢いよくぶらつき始めたじゃありませんか。新蔵は毎度の事ながら、この時もやはり頭痛さえ忘れるほど、何とも云えない恐怖《きょうふ》....
親子」より 著者:有島武郎
夜とはすっかり変わってしまった。 「なあに、疲れてなんかおりません。こんなことは毎度でございますから」 朝飯をすますとこう言って、その人はすぐ身じたくにかかっ....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、統制主義は余りに窮屈で過度の緊張を要求し、安全弁を欠く結果となる。ソ連に於ける毎度の粛清工作はもちろん、ドイツに於ける突撃隊長の銃殺、副総統の脱走等の事件も、....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
もくべてあって、天井から雁木で釣るした鉄瓶がぐらぐら煮え立っていた。 「どうも、毎度、子供がお世話になって」と、炉を隔てて僕と相対したお貞婆さんが改まって挨拶を....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
と翁は、白く笑った。 「大慈大悲は仏菩薩にこそおわすれ、この年老いた気の弱りに、毎度御意見は申すなれども、姫神、任侠の御気風ましまし、ともあれ、先んじて、お袖に....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
た僻地で、これが源氏の畠でなければ、さしずめ平家の落人が隠れようという処なんで、毎度|怪い事を聞きます。この道が開けません、つい以前の事ですが。……お待ち下さい....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ておりますから、朝晩|汐時を見ては拾っておきまして、お客様には、お土産かたがた、毎度|婆々が御愛嬌に進ぜるものでござりますから、つい人様が御存じで、葉山あたりか....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
でもござりましょうか。――大島屋の大きいお上が、半月と、一月、ずッと御逗留の事も毎度ありましたが、その御逗留中というと、小一の、持病の坐睡がまた激しく起ります。....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
とだと、両親が指図で、小僧兼内弟子の弥吉というのを迎に出すことにした。 「菊枝が毎度出ましてお邪魔様でございます、難有う存じます。それから菊枝に、病気揚句だ、夜....
三枚続」より 著者:泉鏡花
明治三十五年壬寅鏡花 「どうも相済みません、昨日もおいで下さいましたそうで毎度恐入ります。」 と慇懃にいいながら、ばりかんを持って椅子なる客の後へ廻った....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
。ただし、その怪声が予言もしくは察心をなすは、別に大いなる害とも見えざれど、その毎度機糸を断たるるに至りては、たちまち多少の損失を受くるをもって、一家最もこの怪....
西航日録」より 著者:井上円了
取る寒かな 汽車の上等室に「Europeans only」の掛け札あるを見る。毎度ながら、白人種の無法なる制裁には驚かざるを得ず。これを見てインド人の憤慨せざ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
いろの余りものを入れて煮出すとみえて、百味のあじを持っておるから非常にオイシク、毎度二杯ずつ傾けた。肉はあまり大切りにて、拙者のごとき歯の弱いものには閉口であっ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ージエンに作戦せしめた。大王は再三シュレージエンの危急を救わんとしたが、ダウンは毎度巧みに大王の行動を妨げてこれをザクセンに抑留した。しかしシュレージエンの形勢....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
たに立っていたのである。 川蒸汽は静かに動き出した。すると大勢の客の中に忽ち「毎度御やかましうございますが」と甲高い声を出しはじめたのは絵葉書や雑誌を売る商人....