毒味[語句情報] »
毒味
「毒味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毒味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
こそ、毒が仕込んであるといったじゃねえかよ。どうまちがっておまえもお将軍さまのお
毒味役に出世しねえともかぎらねえんだからね、よく覚えておくといいよ。つめにたまっ....
「阿部一族」より 著者:森鴎外
である。十四歳のとき忠利に召し出されて、知行百石の側役《そばやく》を勤め、食事の
毒味をしていた。忠利は病が重くなってから、橋谷の膝《ひざ》を枕にして寝たこともあ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ので、易介がレモナーデを持ってまいりました。すると、あの方は御要心深くも、それに
毒味をお命じになったのです」
「ハハァ、恐ろしい神経ですね。では、誰が?」
「伸....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
いますから、それは怪しからん事、他から医を入れる事は容易ならん事にて、お薬を一々
毒味をして差上げる故に、医は従来のお医者か然も無くば匙でも願うが宜いと申して承知....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
《くだん》の名馬城将に殺されベヴィスまた城将を殺し、その妻が持ち出す膳をその妻に
毒味せしめて後|鱈腹《たらふく》吃《く》うて去ったという。十二世紀にスペインのユ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
たら伊達家が安泰で有ろうという訳で毒飼の手段を廻らした。幸にそれは劇毒で、政宗の
毒味番が毒に中《あた》って苦悶《くもん》即死したから事|露《あら》われて、政宗は....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
お前は仕事始めに、それをやるんで。その代り骨が折れるぜ」 烏啼の声がだんだん、
毒味を加えた。 「へえ……」 貫一は目をぱちくり。 「お前、胆っ玉は大丈夫だろ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
の上から茶碗の中へ深紅の液を注ぎ込んだ。それから匙で砂糖を入れた。 「まず拙者お
毒味を致す」 こう云うと一つの茶碗を取り上げ、半分ばかりグッと呑んだ。 「温加....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
、お言のまま、あの、お宿までもお供して……もしその茸をめしあがるんなら、きっとお
毒味を先へして、血を吐くつもりでおりました。生命がけでだましました。……堪忍して....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と云うに因って、客僧、御身はなおさら猶予う、手が出ぬわ。」 とまた微笑み、 「
毒味までしたれば、と少年は、ぐと飲み飲み、無理に勧める。さまでは、とうけて恐る恐....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てそれを受ける。 かくして二人が、土瓶蒸を肴《さかな》に、とりあえず一杯ずつの
毒味を試みている。 旅に慣れた彼等は、即席の調理方に要領を得ている。小鳥峠の上....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
でしまった。
お納戸役が御膳部《おたて》へ、朝飯のお風味に出かけていったのち、
毒味がすんで、お膳を受け取ってお次の間まで運んでまいります。二、三人のお子供小姓....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
狗の雛児。――あなたも一つめしあがれ。」 「…………」 「あら、卑怯だことね、お
毒味は済んでるのに。」 と、あとのに、いきなりまた皓歯を当てると、 「半分を、....
「カシタンカ」より 著者:神西清
たえんどう豆と、ふやけたはだか麦の皮が見えた。カシタンカは、まずえんどう豆を一口
毒味をしてみたが、義理にもおいしいとは言えなかったので、はだか麦の皮をつついてみ....
「妖影」より 著者:大倉燁子
トの箱などを持って戻って来た。 お嬢さんはコップにウイスキーを注いでお父さんに
毒味をさせてから、私にも注いでくれた。 「さあ、先刻のお話の続きを聞かして下さい....