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「毒婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毒婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
う、秀子は養母殺しの罪人として、養父殺し未遂の罪人として、牢破りまで企てた稀代の毒婦として再び如何の責苦に遭うも知れぬのみか縦しや世界の果てまで逃れても生涯安心....
わが町」より 著者:織田作之助
狼狽して、折角だがと暇をとらせた。 そうして、寺田町のナミオ商会という電話機消毒婦の派出会へ雇われてみると、日の丸湯で貰っていた給料がどんなに尠なかったかがは....
島原心中」より 著者:菊池寛
考えてみるがいいぞ。普通の女というものは気の弱い人間だぜ。鬼神のお松というような毒婦だとか、乃木大将の夫人などという女丈夫なら、そら一突きで見事に死ぬかも知れん....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。 ジョヴァンニは、もう我れを忘れて、怒りに任せて罵った。 「そうだ、そうだ。毒婦! おまえが、それをしたのだ。おまえはおれを呪い倒したのだ。おれの血管を毒薬....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
な巴里。彼女は朝から晩まで血眼になって、特性! 特性! と呼んでいる。 妖婦、毒婦、嬌婦、瞋婦――あらゆる型の女を鞭打ってその発達を極度まで追詰める。 ミス....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
のあいだ 「おお、まアそれではあのお部屋は、十年間|閉扉の間か! ……さすが悪漢毒婦にも、罪業を恐れる善根が、心の片隅に残っていたそうな。……ではあのお部屋には....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
。上瞼が弓形を作り、下瞼が一文字をなした、潤みを持った妖艶な眼は、いわゆる立派な毒婦型であったが、今はその眼が洞のように、光もなく見開かれていた。盃中の酒を見て....
剣侠」より 著者:国枝史郎
いすぎるほど整っていたが、鼻がひときわ高かったので、ここで一点ぶちこわしていた。毒婦型に嵌まった凄艶の女! そう云えば足りる女であった。 パチリと女は腕を打っ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
うごとに頬の後れ毛を、耳の後ろまでひるがえして、こう口説き立てたお粂のようすは、毒婦とも見れば妖婦とも見え、淫婦にさえも見えるのであった。 しかるにそういうお....
役者の一生」より 著者:折口信夫
じみ感じられる。 源之助の時代は四十年位続いたが、その間悪婆即、一口に言うと――毒婦ものが彼の芸として通った。ああいう芸は模倣し易い訣だが、どういう訣か、此きり....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
明らか 西天を拝し罷んで何ぞ限らんの情 只道下|佳人命|偏に薄しと 寧ろ知らん|毒婦恨平らぎ難きを 業風過ぐる処花空しく落ち 迷霧開く時銃忽ち鳴る 狗子何ぞ曾て....
卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
しょに死なないのだ。僕は君のその女々しい心が恐ろしいよ。それはいわゆる救われない毒婦の心と同じだ。君の計画には、いかにも女々しい、ドラマチックなところがあるよ。....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
わ。この間もお店へ来て酔っぱらい、初子をのしちまうんだって暴れたんですよ。彼女は毒婦だ、悪党だって――」 「初子はどうしていた?」 「かくれていましたわ。初子さ....
情鬼」より 著者:大倉燁子
で押しが強くって、負けず嫌いで、性質はいい方じゃございません。悪くいう人はあれや毒婦だなんて申しましたからね。でも今はどうしていますか、御主人が亡くなってから、....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
で奥様気どりでいた処へ何も知らない私があとから参ったのでございます。 かげでは毒婦だの妖婦だのと悪口云っている人でも、有喜子に一度会うと好きになって皆味方にな....