毒気[語句情報] »
毒気
「毒気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毒気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、こうして坐っているのを見ると、蟇も蟇、容易ならない蟇の怪が、人間の姿を装って、
毒気を吐こうとしているとでも形容しそうな気色ですから、これにはさすがの新蔵も、頭....
「或る女」より 著者:有島武郎
からと笑ってちょっと首を引っ込ませながら、もう一度振り返って葉子を見た。
その
毒気なくからからと笑う声が、恐ろしく気に入ったばかりでなく、かわいて晴れ渡った秋....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ると、深刻さは更に喧噪さと合体して、まるで火事場のような騒ぎだった。僕はすっかり
毒気に当てられた形で、早くその窒息するような雰囲気から脱れたいとそればかりを思っ....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
一面の樹海は薄暗にとざされそれがまた火のような西空の余映を受けて鈍く仄赤く生物の
毒気のように映えかえり、そこかしこに点々と輝く鏡のような五湖の冷たい水の光を鏤め....
「火星兵団」より 著者:海野十三
「な、なんだろう、あれは……」
千二は、鉄管からはい出した。とたんに、なにかの
毒気にあたったかのように、胸がむかむかして来た。
「あっ、苦しい」
彼は、また....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
綺麗な婦人よ。あれ、知らっしゃんねえがな、この位な事をや。」 従七位は、白痴の
毒気を避けるがごとく、笏を廻して、二つ三つ這奴の鼻の尖を払いながら、 「ふん、で....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
道を伝った。 またあまりに儚い。土に映る影もない。が、その影でさえ、触ったら、
毒気でたちまち落ちたろう。――畷道の真中に、別に、凄じい虫が居た。 しかも、こ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の楽しい妄想の代りに、彼は恐ろしい悪夢に絶えずおそわれ、昼夜を分かたずその悪夢の
毒気を吸いながら、かの狂暴残忍なローマの先人たちよりも更に物凄い死を遂げた。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
不思議なことをしている……。』と言って、大そう私を羨ましがりました。私も少し気の
毒気味になり、『すべては霊魂の関係から役目が異うだけのもので、別に上下の差がある....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
裂け目から何だか奇怪な物凄いような煙りが立ち昇って来て、人間には有害でありそうな
毒気が次第に充満するのを見たかと思うと、ドアはさながら我が意思をもって働くように....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ひとつ、大きなスペイン発泡膏をはることでした。これでからだのなかの気ちがいじみた
毒気を吸いとろうというわけです。 明くる朝、助手は、赤ただれたせなかをしていま....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のです。(あたしたちは、あつい国へいきますが、そこは人間なら、むんむとする熱病の
毒気で死ぬような所です。そこへすずしい風をあたしたちはもっていきます。空のなかに....
「多神教」より 著者:泉鏡花
、いびつづくった、尾も頭も短う太い、むくりむくり、ぶくぶくと横にのたくりまして、
毒気は人を殺すと申す、可恐く、気味の悪い、野槌という蛇そのままの形に見えました。....
「錦紗」より 著者:犬田卯
御召を一反買ったといってはしゃいだ。本絹も本絹「材木から取った本絹よ」でお通の「
毒気」を抜き、それから自分たちがいくら丹精して蚕を飼っても、その蚕から取った本絹....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
詣ずるという、泳ぐのに半身を波の上に顕して、列を造って行くとか聞く、海豚の群が、
毒気を吐掛けたような入道雲の低いのが、むくむくと推並んで、動くともなしに、見てい....