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毒牙
「毒牙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毒牙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
に出まするような恐ろしい詐欺や横領、その他文明社会に流行しまする法律悪用の悪漢の
毒牙にかかる患いは一切ございません。わけてもこの東京に於てお仕事を遊ばすお方様に....
「蠅男」より 著者:海野十三
と村松検事も警官隊の方をふりむき、「蠅男の恐るべき正体はようやく分ったが、蠅男は
毒牙を磨いて、暴行の機を狙っているのだ。彼奴を捕えてしまわないうちは、われわれは....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
と白髪のような蝮の歯は手拭に食い込んだままで、もろくも抜け落ちてしまうのである。
毒牙をうしなった蝮は、武器をうしなった軍人と同じことで、その運命はもう知れている....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しめ一衆生あるなし、蛇毒を以《もちい》る故に衆生皆死す〉と見ゆる、海蛇はいずれも
毒牙を持つからの言《こと》だ、これら実在のものと別に西洋には古来海中に絶大の蛇あ....
「簔虫と蜘蛛」より 著者:寺田寅彦
郭の壁上を忍び足ではい歩くに相違ない。そしてわずかな弱点を捜しあてて、そこに鋭い
毒牙を働かせ始める。壁がやがて破れたと思うと、もう簔虫のわき腹に一滴の毒液が注射....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しそうなところで、事実またその出没を見届けたものも多いという――に襲われて、その
毒牙にかかったものに相違ない、これ自業自得、天の配剤、というように観察して来て見....
「火薬船」より 著者:海野十三
じて申入れるから、しばらくまたれよ」 事実上、平靖号は、まんまと船長ノルマンの
毒牙に、かかってしまったわけだった。南シナ海方面で大いにあばれるつもりだった仮装....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
あり。 「あ、痛。」 と謙三郎の叫びたるは、足や咬まれし、手やかけられし、犬の
毒牙にかかれるならずや。あとは途ぎれてことばなきに、お通はあるにもあられぬ思い、....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
も、百の頭を有《も》ったあの竜がいては! たとえ百の命があったとて、そんな怪物の
毒牙をのがれる見込みのある人間なんているでしょうか? その娘たちは大変やさしい心....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
して一枝毫末《いっしごうまつ》の改変をも肯《き》き入れない。 君達の口の中には
毒牙のあり得るはずがない。しかし何故《なにゆえ》に『蝮蛇《まむし》』の二大|文字....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
、サルトル氏とともに箱根へやってもいいと思うよ」 「フン、そうかい。サルトル氏の
毒牙にかかってもいゝわけか」 こう光秀にチクリとやられて、半平もちょッと苦しげ....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
で、権に対し、怒りも悲しみも怨みもしていない様子を見ると、やはり権が、自分の娘へ
毒牙を加えなかったことを、認めるより仕方がなかった。 (好きな許婚の進一と、一月....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
太陽を呪うようにしてやる。気をつけろ、おれは恐れないし、力があるからな。おれは、
毒牙で咬んでやるために、蛇の狡猾さでもって見守ってやる。やい、ひどい目にあって後....
「悪魔の聖壇」より 著者:平林初之輔
恋人です。平和な私の町へ伝道に来て、神の名によりて道を説きながら、清らかな少女を
毒牙にかけた憎むべき牧師の第一の犠牲者です」 牧師は棒立ちになったまま口がきけ....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
ば最近彼の思想は大分変ってきてはいる。ひと頃は軟派の不良で鳴らしたものだ、辰馬の
毒牙にかかった女は数えきれない、いつでも女の事で問題ばかり起していたが、この頃は....