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「毒素〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毒素の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
想片」より 著者:有島武郎
は、そのままに放置しておいても、資本主義的経済生活は自分で醸《かも》した内分泌の毒素によって、早晩崩壊すべきを予定していたにしても、その崩壊作用をある階級の自覚....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
いるとしか思えないのである。まったく、その人達の生理の中には、すでに動かしえない毒素の層が出来てしまって、最初のうちこそ、何かの驚きや拍子外れのものや、またそう....
」より 著者:島木健作
るお前にとって!」という意地のわるい囁《ささや》きがきこえ、それは烈《はげ》しい毒素のように一切の情熱をほろぼし、彼は再び冷たい死灰のような心に復るのであった。....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
に立派になりました。だが一方において人間性を没却したことは、国民の身体の中にある毒素の欝積をもたらしています。それは日夜積み重なって、今にきっと爆発点に達するで....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
国で禁止されている、最も有毒な黄燐を使うため、健康な肉体も、極めて短時日の間に、毒素に侵されてしまった。 工人の出入は、はげしかった。一人が這入って来ると、一....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
く、なまぬるく、都会の夕暮をつつみ、あるいは六甲の連山をかすめる。このクリームの毒素は私にも影響する。何かこうじっとしていては罰が当たりそうで、といって一体何を....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
はだしい有毒物となった。つまり、毒薬が彼女の生命の要素になってしまったのだ。その毒素の匂いを彼女は空中に吹き出すのであるから、彼女の愛は毒薬であった――彼女の抱....
変った話」より 著者:寺田寅彦
科書の中に入れていけないといういわれを見出すことが出来なかった。日本魂を腐蝕する毒素の代りにそれを現代に活かす霊液でも、捜せばこの智恵の泉の底から湧き出すかもし....
無法者」より 著者:豊島与志雄
が、絶対に中毒するものではありませんよ。素人料理ならいざ知らず、料理屋のものは、毒素をすっかり抜いてあるから、あたろうにもあたりようはありません。フグは何をあが....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
おれにはおれの立場がある。おれにはおれの為すべきことがある。おれは現実から刻薄の毒素を絞り取って、徐ろにそれを苦悩の杯に滴らしめる。おれは早晩その杯を傾けねばな....
死んでいた狒狒」より 著者:田中貢太郎
長く声の続くものでない。それで声が続かなくなるような事でもあると、得態の知れない毒素に当って血を吐いて死ぬると云われていた。木客たちは顔を見合わして黙っていたが....
呪われの家」より 著者:小酒井不木
上の免疫現象と同じようなものだと氏は考えて居るのである。例えば実験動物に致死量の毒素を注射すれば、動物はたおれるけれど、若しその致死量を二分して、時日を隔てて二....
河豚食わぬ非常識」より 著者:北大路魯山人
先入主に囚われて頑として動こうとしない。 ふぐというもの、いかんせん人命を奪う毒素があり、例えば十中の三位は確実に中毒しまったく命にかかわると決まっているとき....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
物的本能のようなものを感じさせて多可子を不快にした。多可子は結核の子供は結核菌の毒素の刺戟で早熟になるということは何かで読んだことがあった。それを眼のあたり見る....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
山の前には、私の神経細胞の中に生じつつあった少量の醗酵素は、自己を危くするまでに毒素を分泌するに至らずして、旭に消ゆる霜の如くに溶け去るのを覚えた。此時私は山に....