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「毒虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毒虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
そうだ。大の男や頑強なるべき学生輩に至るまで、窓から太陽が射して来ようものなら、毒虫《どくちゅう》にでも襲われたように周章《あわ》てて窓を閉ざして得意でいる。事....
星あかり」より 著者:泉鏡花
ら下りて、腕を拱き、差俯向いて、じっとして立って居ると、しっきりなしに蚊が集る。毒虫が苦しいから、もっと樹立の少い、広々とした、うるさくない処をと、寺の境内に気....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に襲われたという噂を、近来あまり聞かないのは幸いである。満洲開発と共に、こういう毒虫は絶滅させなければなるまい。 蝎は敵に囲まれた時は自殺する。おのが尻尾の剣....
薬草取」より 著者:泉鏡花
に岩が飛びましたり、大木の倒れたので行く前が塞ったり、その間には草樹の多いほど、毒虫もむらむらして、どんなに難儀でございましょう。 旧へ帰るか、倶利伽羅峠へ出....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
ティビアの燻製肉こそは、カナダの国境附近の産になる若鹿の肉にアマゾン河にいる或る毒虫の幼虫を煮込み、その上にジーイー会社で極超短波を浴せかけて、電気燻製とし、空....
女客」より 著者:泉鏡花
に工面してやるから可い、蚊の畜生覚えていろと、無念骨髄でしたよ。まだそれよりか、毒虫のぶんぶん矢を射るような烈い中に、疲れて、すやすや、……傍に私の居るのを嬉し....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
を。…… ――きみ、――きみ―― 「うっかり声を出して呼んだんだよ、つい。……毒虫だ、大毒だ。きみ、哺えてはいけないと。あの毒は大変です、その卵のくッついた野....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、顔を上げる。 「その花の影、水岸に、白鷺が一羽居て、それが、斑※――人を殺す大毒虫――みちおしえ、というんですがね、引啣えて、この森の空へ飛んだんです。 ま....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、目の前にあるとも思わないが、昔からまるで手も足も入れない処じゃあ、人の知らない毒虫が居て刺そうも知れず、地の工合で蹈むと崩れるようなことがないとも限らないから....
星女郎」より 著者:泉鏡花
方が壜を持って待ってるんでしょう。手首へ掛けて蒼い酒に、颯と月影が射したんです。毒虫を絞った汁にもせよ、人生れて男にして、これは辞すべきでない。 引掛けて受け....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ない。富子さんも知らないで、うっかりとその花環をいじくっているうちに、いつかその毒虫に刺されたんです。こう判ってみれば何でもありませんけれど、前の事情があるから....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
らぬと気着いた時に、ぞっとした。 忽ち、チクリと右の手の甲が痛み出した。見ると毒虫にいつの間にやら螫されていた。駕龍の中には妙なる名香さえ焚いてあるのだ。虫の....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
“Ragh”という小鱶がいる。 ほとんど哺乳類のいないこのニューギニアは、ただ毒虫と爬虫だけの世界だ。やがて、独木舟を芋蔓でつないで、いよいよハチロウを負い“....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
いう結果になる。 この分類の所に(或は(三)の中に属するかもしれないが)毒蛇、毒虫による殺人も挙げることが出来よう。蛇は箪笥とか金庫とかの中に隠しておくことも....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ありませんかねえ。」 「実はどういうんだか、今夜の雪は一片でも身体へ当るたびに、毒虫に螫れるような気がするんです。」 と好個の男児何の事ぞ、あやかしの糸に纏わ....