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「毒蛇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毒蛇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金将軍」より 著者:芥川竜之介
だった。金将軍はふと桂月香の妊娠《にんしん》していることを思い出した。倭将の子は毒蛇《どくじゃ》も同じことである。今のうちに殺さなければ、どう云う大害を醸《かも....
」より 著者:芥川竜之介
中にさえ竜が居たなら、ましてこれほどの池の底には、何十匹となく蛟竜《こうりゅう》毒蛇が蟠《わだかま》って居ようも知れぬ道理《ことわり》じゃ。』と、説法したそうで....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
へ駈けつけていたが、この喜びようも一通りではない。現にあの琉球人なぞは、二人とも毒蛇《どくじゃ》に噛《か》まれた揚句《あげく》、気が狂ったのかと思うたくらいじゃ....
或る女」より 著者:有島武郎
のを知って自殺を思い立った時、幾人も奴隷《どれい》を目の前に引き出さして、それを毒蛇《どくじゃ》の餌食《えじき》にして、その幾人もの無辜《むこ》の人々がもだえな....
或る女」より 著者:有島武郎
に握りつぶす事ができないと思っているのか……見ているがいい。葉子はいらだちきって毒蛇《どくじゃ》のような殺気だった心になった。そして静かに岡のほうを顧みた。 ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
るつもりだ。死んでも寂い事はねえ、女房が先へ行って待っていら。 お蔦と二人が、毒蛇になって、可愛いお妙さんを守護する覚悟よ。見ろ、あの竜宮に在る珠は、悪竜が絡....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
みだるるまでかぶりを掉る)嘘です、嘘です。人を呪って、人を詛って、貴方こそ、その毒蛇です。親のために沈んだ身が蛇体になろう筈がない。遣って下さい。故郷へ帰して下....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
がこぼれたなんのッて、気味が悪いと申すんでございますから。…… 学円 綺麗な石が毒蛇の鱗? や、がぶがぶと、豪いことを遣ってしもうた。(と扇子をもって胸を打つ。....
紅玉」より 著者:泉鏡花
く処を示す)口でおくわえ遊ばしたのでございます。 紳士 口でな、もうその時から。毒蛇め。上頤下頤へ拳を引掛け、透通る歯と紅さいた唇を、めりめりと引裂く、売女。(....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
に、唱い立てられて見た日には、内気な、優しい、上品な、着ものの上から触られても、毒蛇の牙形が膚に沁みる……雪に咲いた、白玉椿のお人柄、耳たぶの赤くなる、もうそれ....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
あろうか、わたしがそこに感じたのは寂寞である。 この寂寞は一日々々と長大して大毒蛇のように遂にわたしの霊魂に絡みついた。 そうして自ら取止めのない悲哀を持ち....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
舌を抜かれるやら、皮を剥がれるやら、鉄の杵に撞かれるやら、油の鍋に煮られるやら、毒蛇に脳味噌を吸われるやら、熊鷹に眼を食われるやら、――その苦しみを数え立ててい....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ぬくもりもまだありそうな、乳房も見える懐から、まともに五助に向けた蒼ざめた掌に、毒蛇の鱗の輝くような一|挺の剃刀を挟んでいて、 「これでしょう、」 五助はがッ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
怪飛んでその夜は帰った。……しかし、気心の知れた丑の時参詣でさえ、牛の背を跨ぎ、毒蛇の顎を潜らなければならないと云うんです。翌晩また跪いた。が、今度は、おなじ象....
活人形」より 著者:泉鏡花
杯くわして、奪い行かむと謀りたり。わずかに虎口を遁れ来て、仁者の懐に潜みながら、毒蛇の尾にて巻かれたる、下枝が不運憐むべし。 赤城家にては泰助が、日蔽に隠れし....