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「毒見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毒見の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
会議員が市の政治を料理する台所の役人の処へ押しかけて行って、勝手につまみ喰いやお毒見をするのを禁ぜよ、と云うのである。 東京市という一家の家令たる市長が知らぬ....
堺事件」より 著者:森鴎外
日に据風呂が立つ。手拭と白紙とを渡す。三度の食事に必ず焼物付の料理が出て、隊長が毒見をする。午後に重詰の菓子で茶を出す。果物が折々出る。便用には徒士二三人が縁側....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
火鉢を隔てたのが請取って、膝で覗くようにして開けて、 「御馳走様ですね……早速お毒見。」 と言った。 これにまた胸が痛んだ。だけなら、まださほどまでの仔細は....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
にころがっていましたよ。大丈夫、ざあざあ洗って洗いぬいた上、もう私が三杯ばかりお毒見が済んでいますから。ああ、そんなに引かぶって、襟が冷くありませんか、手拭をあ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うことも、最初の希望の一つであったのです。 そこで風呂が沸くと、与八は真先にお毒見をするつもりで、郁太郎を抱いて新湯を試みました。 ある日、与八が余念なく入....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
他の役手を引連れて御次ぎの入口まで運ぶ。すると側役がそこへ出て御膳番と対坐して御毒見をする。これは各々の膳に雛の椀や皿見たような小さな器に、その時世子の食べられ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
無言のまま源三郎は、まず、吸い物をすこし椀のふたにとって、少年の前につきだした。毒見をしろ……という意《こころ》。少年も、だまってそれを受け取って、口へもってい....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
もあろうか、一本の鉄扇を右手に握り、周作は笑って突っ立った。 「はじめの一つはお毒見だ」 こういいながら甚内は、手頃の小石を一つ握った。 「それじゃいよいよや....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
う殺人的な処置をしておいて、おもむろに投薬を開始する。 侍医長がいちいち入念に毒見して医官に返す。まず檳榔子とタマリンドの果肉の煎汁に鼈甲の粉末をまぜた下剤を....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の出たのはそうですなあ、大掃除の時、出入りの車夫に振舞うたばかりですよ。」 「お毒見をいたします。」 お洲美さんが白い手で猪口を取った。 「注いで下さい。」 ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
多く列《なら》べられたり。主人の小山|先《ま》ず椀《わん》の蓋《ふた》を取りてお毒見にとその味を試み「ウム、これは美味《うま》く出来た。中川君、この田毎豆腐《た....