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毒酒
「毒酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毒酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
、是は全く酒の毒だが、尋常《たゞ》の死にようではない、余程|効能《きゝめ》の強い
毒酒ではないかと、依田豊前守様の白洲へ持出したが御奉行が其の酒を段々お調べに成り....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
だ。まさしく、毒薬を仕込んだ酒だよ」 「はてね、気味が悪いようだが、そんなことで
毒酒の見分けがつくんですかい」 「ついたからこそ、毒が仕込んであるといったじゃね....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
碗を突きつけた。
「さあ、まあ、一ぺえ飲《や》んねえ――」
「まさか、お坊さん、
毒酒じゃああるまいね?」
お初は、尻目にかけて、冷たく笑った。
「何が
毒酒なも....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
囚われいる情女カリテを娼妓に売れと勧むると、照天娼家に事《つか》うると、またトが
毒酒で群賊を眠らすのと、さて女を驢に載せて脱れ遂ぐるのとが、偶然また反対ながら、....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
いる。いやよろしい、窓の方を向いた。……いや、醤どの、うまくいったよ。あの無類の
毒酒を、まんまと三杯も乾してしまったよ。致死量の十二倍はある。あと十五分で、金博....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
れて飲ませるので、これを飲ませれば身体が利かん、此処にはお医者もお出でしょうから
毒酒を調合してお片附けなさえ、それも初めからでは何うして中々|取附けねえ、ぽん/....
「大江山」より 著者:楠山正雄
ることも、にげることもできなくなります。わたくしどものこのお酒は、「神の方便鬼の
毒酒」という不思議なお酒で、人間が飲めば体が軽くなって力がましますが、鬼が飲めば....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
とかれの裾から燃えあがると見えた。
生躍《せいやく》する人肉を刃に断《た》つ!
毒酒のごときその陶酔が、白昼のまぼろしとなって左膳の五感をしびれさせつつあるのだ....
「紫の壜」より 著者:豊島与志雄
が聊かでも私にあったろうとは、私自身が承認しないことである。また、コップの中のが
毒酒であると彼女が知っていたろうとは、前後の事情から推察し難いことである。 そ....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
。かれらはそれから家内を探しまわった末に、入口の長火鉢のまえで酒を飲んだ。それが
毒酒であったので、ふたりともに命をうしなったのである。それだけのことは検視の上で....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
り。 (玉虫は足拍子を強くふみて、両人に向ってじりじりと詰めよる。与五郎と玉琴は
毒酒にあたりし体にて、身神俄かに悩乱す。) 唄※口にはほのおの息をふき、手にはく....
「悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
面の文学や知識を紹介されました。今から思えば、私にそういう自分の趣味を強いて私に
毒酒を呑ませること自身が既にあなたの趣味だったのでしょう。けれども私は何も知らず....
「三国志」より 著者:吉川英治
携えてきた一壺の酒を取り出して杯を強いると、廃帝は、眉をひそめて、 「それは
毒酒であろう」と、涙をたたえた。 太后も顔を振って、 「相国がわたし達へ、延寿....
「三国志」より 著者:吉川英治
できない孟優であった。計らんとして計られたのである。いうまでもなく、一人のこらず
毒酒の毒にまわされていたのだった。 「――しまった――」 とも知らず、味方の蛮....