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比肩
「比肩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
比肩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
ス、「百日紅《さるすべり》」に於ける強烈な自己凝視など、外国十九世紀の一流品にも
比肩《ひけん》出来る逸品と信じます。お手紙に依《よ》れば、君は無学で、そうして大....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
第一の評ある策士。辣腕《らつわん》と剽悍《ひょうかん》との点においては近代これに
比肩《ひけん》する者無しと嘆《たん》ぜられているひと。しかしいつも覆面しているの....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
もしれないが、自分の見た範囲では遺憾ながらどうひいき目に見ても欧米の著名な映画に
比肩しうるようなものはきわめてまれなようである。 ロシア崇拝の映画人が神様のよ....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
と号す――北畠親房その子|顕家、顕信、顕能の三子と共に南朝無二の忠臣、楠公父子と
比肩すべきもの、神皇正統記を著わして皇国の正統をあきらかにす」 「北畠親房を知っ....
「書かれざる作品」より 著者:豊島与志雄
、生きた一つの個体なのである。先ず、進水式があげられて、彼女は海に浮ぶ。当時他に
比肩するもののない美丈夫なのだ。日本の近海を誇らかに漫歩する。そのうちに日露戦争....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
》に投じ、幾世紀の最高天に毎瞬時戦勝の星座を開かしめ、フランス帝国をローマ帝国と
比肩せしめ、大国民となり大陸軍を生み出し、山岳が四方に鷲《わし》を飛ばすがように....
「青春論」より 著者:坂口安吾
いう毒々しいまでに驚くべき闘志をもった男である。碁打の方には、この闘志の片鱗だに
比肩すべき人がない。相撲取にも全然おらぬ。 けれども、木村名人も、もう何度負け....
「推理小説について」より 著者:坂口安吾
ックな性格の創造、まことによく構成されておって、このトリックの点では世界的名作と
比肩して劣らぬ構成力を示している。 然し、敢てこの名作から三つの欠点をとりだし....
「日映の思い出」より 著者:坂口安吾
ことに就ては私は知らないが、映画芸術に対する認識、識見は、先ず日本映画界では他に
比肩する社長とか重役はなかったと思う。 私が嘱託になったのは二巻ぐらいの純粋な....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
ーチュアー』誌上にこの書の紹介を書き、この書は正にタムソン―テートの『物理学』に
比肩すべき名著であると云った。タムソン―テートの書物が遂に完結せずに了った一つの....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
しい。自分が他の種々の点で優れたと思う画家の中でも色彩の独創的な事において同君と
比肩すべき人を物色するのは甚だ困難である。 津田君の絵についてもう一つの特徴と....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
が、兎に角桜花のらん漫たる感じは、桃山芸術を生み出した豊太閤の豪華な印象より他に
比肩すべきものはない。大時代な句として面白くも覚える。一方、烈しい風雨にもまれて....
「文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
島崎藤村『松島だより』 「東北の地勢は広濶なる原野なり。山嶽の偉大なるもの相
比肩して互に馳せ互に没するは中国の奇葩、東北の山脉はしからず、寧ろ広大なる丘陵の....
「西航日録」より 著者:井上円了
今すでに十万口以上の住民あり。今より数年を出でずして、必ずサンフランシスコに対立
比肩すべし。日本人のここにありて労役をとるもの、一千人以上に及ぶという。 当港....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、快晴。午前七時、船すでにオンダールスネス湾にあり。九時上陸す。奇峰峻嶺、互いに
比肩し、頂上には残雪をとどめ、山麓には樹木繁茂し、渓流の両岸には麦田のすでに熟し....