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「比類〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

比類の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
きはじめました。クラバックはトックの言葉によれば、この国の生んだ音楽家中、前後に比類のない天才だそうです。僕はクラバックの音楽はもちろん、そのまた余技の抒情《じ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
無学な漁夫と税吏と娼婦とに囲繞された、人眼に遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類なく深く善い愛の所有者であり使役者であった。四十日を荒野に断食して過した時、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の斎藤彦麿翁はその著「神代余波」のうちに、盛んに蒲焼の美味を説いて、「一天四海に比類あるべからず」と云い、「われ六、七歳のころより好みくひて、八十歳まで無病なる....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
は、済生会の寄付金を勧誘されたような気がして名誉に感じるが、芸術税というは世界に比類なき珍税として公衆の興味を湧かすに足りる。が、そこに一疑問がある。文学は果し....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
られた。――これだけは工夫した女優の所作で、手には白金が匕首のごとく輝いて、凄艶比類なき風情であった。 さてその鸚鵡を空に翳した。 紫玉の※った瞳には、確に....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に移されてしまったのか。彼はベアトリーチェをますます賞讃すべきものとし、ますます比類なきものとした。これまで醜く見えていたすべてのものが、今はことごとく美しく見....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
然の白砂をば何かで程よく固めたと言ったような、踏み心地で、足触りの良さと申したら比類がありませぬ。そして何所に一|点の塵とてもなく、又道の両側に程よく配合った大....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
る頼朝義経の像を画いて三代美術の精粋をうたわれたが、殊に図中頼朝の坐像の美しさは比類がない。また、室町期以降の多くの武将の坐像、あるいは後醍醐天皇の坐像の安定し....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
アツという間もなく、忽然としてろくでなしの範疇の中へ沈没してしまう壮観はちよつと比類のないものである。 しかもこの警句の内容の指定するところに従えば、警句の使....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
ろしきゆえに最上のうなぎ出来て、三大都会にすぐれたる調理人群居すれば、一天四海に比類あるべからず、われ六、七歳のころより好み食いて、八十歳までも無病なるはこの霊....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
る通りである。 谷崎氏の「細雪」は大阪弁の美しさを文学に再現したという点では、比類なきものであるが、しかし、この小説を読んだある全くズブの素人の読者が「あの大....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
のである。恐らく古今を通じてかくの如く広く読まれ、かくの如く洽く伝唱されてるのは比類なかろう。 したがって『八犬伝』の人物は全く作者の空想の産物で、歴史上また....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
『廊下の男』、それからジャックス・フットレルの『十三号監房の問題』などと並んで、比類なく輝かしい高所に位する傑作である)。それは、メルビイル・デビッスン・ポース....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
座の中幕「阿古屋の琴責」で彼の岩永左衛門をみて、いよいよ彼が歌舞伎俳優として他に比類なき舞台顔の持主であることを知った。 その頃から彼は市村座に居据わって、人....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の内地にはロッキーのごとき世界に一、二を争う高山あり、ミシシッピーのごとき万国に比類なき大川あり、その湖には北部の大湖あり、その原には中央の平原あり、ともに一望....