毘沙門天[語句情報] » 毘沙門天

「毘沙門天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毘沙門天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
からはえたごとき愛らしき少年僧をまんなかにいたわりながら、ただちにそれなる四谷の毘沙門天をめがけて八丁堀を立ちいでました。 行きついてみると、なるほど熊仲和尚....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
《カンジュル・ギュイト》の主経に、孔雀王経と申すのがあります。そのなかに現われる毘沙門天《ヴィシュラヴナ》の楽土が、そもそもあのお峰でござりまする。ではそれが、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
のようにしている暴れ者で、それがために幾たびか獄屋に入れられたが、彼は背中一面に毘沙門天の像を彫っているので、獄吏もその尊像を憚って杖をあてることが出来ない。そ....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
一戦を遂げて勝負すべし」とある。 八月十六日妻女山に着いた謙信は、日頃尊信する毘沙門天の毘の一字を書いた旗と竜の一字をかいた旗とを秋風に翻して、海津の高坂昌信....
連環記」より 著者:幸田露伴
と夢みたということである。夢とはいえ、馬鳴竜樹にも会ったのである。又観世音菩薩、毘沙門天王にも夢に会ったとある。夢に会ったということと、現に会ったということとは....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
二人が、いわれあって、二人を待って、対の手戟の石突をつかないばかり、洋服を着た、毘沙門天、増長天という形で、五体を緊めて、殺気を含んで、呼吸を詰めて、待構えてい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
から大富となった話」に書いた通り、『西域記』十二にクサタナ国(今のコーテン)王は毘沙門天の後胤《こういん》という。昔|匈奴《きょうど》この国に寇《こう》した時、....
田村将軍」より 著者:楠山正雄
りました。するとその小坊主というのは勝軍地蔵さまで、大きなひげ男と見えたのは勝敵毘沙門天に違いありません。どちらもこの御堂にお鎮まりになっていらっしゃいます。」....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
宮、摩利支天の御堂、弁財天の祠には名木の紅梅の枝垂れつつ咲くのがある。明星の丘の毘沙門天。虫歯封じに箸を供うる辻の坂の地蔵菩薩。時雨の如意輪観世音。笠守の神。日....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
説には、正直勤勉の報いとして福の神から財産を授かったの、熱誠を籠めて祈願したので毘沙門天や観世音菩薩が特に富貴を授け賜わったのという様な、世間普通の所謂月並式の....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
本堂の中に座せしめ、院衆法力を以て祈り殺し、又祈り活かす事あり。彼の俗人には予て毘沙門天此の事を告げ給へり。役を止むべき時にも告げ給ふ。奇妙不思議の事多かりき。....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
のである。またその大黒とあい並んで、福神として商家に祭られる恵美須神も、かつては毘沙門天の垂迹とまで言われて、一方では武神として崇められたほどの勇猛神であり、ま....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
の画の主題の取り扱い方もまた問題になる。吉祥天はバラモン教の美福の女神シュリイで毘沙門天(多聞天)すなわち富神クヴェラを夫としている。仏教に摂取せられてすでに金....
私本太平記」より 著者:吉川英治
う。――五十がらみの、でっぷり肥えた体も、唐物ずくめの衣服や身かざり派手派手と、毘沙門天の像でも歩いて出て来たようだった。 眉は植えたものみたいに硬く、色の黒....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
、正月元日の早朝には、禁裏御所の日華門前において、毘沙門経を読誦する例であった。毘沙門天は七福神の一つにも数えられた福神で、彼らが禁裏の御門に立ってこの毘沙門経....