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毛布
「毛布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毛布の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
はお師匠さんのあたまの上から、海苔巻《のりまき》や、うで玉子の出ている胴の間の赤
毛布《あかゲット》の上へ転げ落ちた。
「冗談じゃあねえや。怪我《けが》でもしたら....
「河童」より 著者:芥川竜之介
れてくれば、腹もだんだん減りはじめる、――おまけに霧にぬれ透《とお》った登山服や
毛布なども並みたいていの重さではありません。僕はとうとう我《が》を折りましたから....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
半纏《しるしばんてん》に、三尺をぐるぐるまきつけた、若い女もあった。色のさめた赤
毛布を腰のまわりにまいた、鼻の赤いおじいさんもあった。そうしてこれらの人々が皆、....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
わな壁、たおれかかったかき根とかき根には竿《さお》を渡しておしめやらよごれた青い
毛布やらが、薄い日の光に干してある。そのかき根について、ここらには珍しいコスモス....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
論寝る時でも靴下やズボン下を脱いだことはない。その上常子に見られぬように脚の先を
毛布《もうふ》に隠してしまうのはいつも容易ならぬ冒険である。常子は昨夜《ゆうべ》....
「或る女」より 著者:有島武郎
てきかなかった。そして自分で出かけて行って、品《しな》もあろう事かまっ赤《か》な
毛布《もうふ》を一枚買って帰って来た。葉子はとうとう我《が》を折って最終列車で東....
「星座」より 著者:有島武郎
どい風になったねえ」といいながら、静かに座を立って、座蒲団の上に敷きそえていた、
毛布の畳んだのを火鉢の向うにおきなおした。人見はちょっと遠慮するような恰好でそれ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
あら》われたる婀娜者《あだもの》あり。紺絞りの首抜きの浴衣《ゆかた》を着て、赤｜
毛布《ゲット》を引き絡《まと》い、身を持て余したるがごとくに歩みを運び、下駄《げ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
す、一休みして参りましょう。」 「あすこへですか。」 「お誂え通り、皺くちゃな赤
毛布が敷いてあって、水々しい婆さんが居ますね、お茶を飲んで行きましょうよ。」 ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
たちが、鰊の建網の修繕をしたり、大釜の据え付けをしたりして、黒ずんだ自然の中に、
毛布の甲がけや外套のけばけばしい赤色をまき散らす季節にはなったろう。このころ私は....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た、真黒な扮装の、年の少い改札｜掛わずかに一人。 待合所の腰掛の隅には、頭から
毛布を被ったのが、それもただ一人居る。……これが伊勢だと、あすこを狙って吹矢を一....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
子が出て、下の石段に踞った法然あたまは与五郎である。 老人は、石の壇に、用意の
毛布を引束ねて敷いて、寂寞として腰を据えつつ、両手を膝に端坐した。 「お爺様。」....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ますし、その方は蝦蟇口を口に、忍術の一巻ですって、蹴込へ踞んで、頭までかくした赤
毛布を段々に、仁木弾正で糶上った処を、交番の巡査さんに怒鳴られたって人なんでござ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
時は、裾を紮げ、荷を担ぎ、蝙蝠傘をさして、木賃宿から出たらしい貧しげな旅の客。破
毛布を纏ったり、頬被で顔を隠したり、中には汚れた洋服を着たのなどがあった、四五人....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
のさ。 右のね、何ですっさ。にごり屋の軒下へ車を預けて、苜蓿のしとったような破
毛布を、後生大事に抱えながらのそのそと入り込んで、鬼門から顔を出して、若親方、ち....