毛抜き[語句情報] »
毛抜き
「毛抜き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毛抜きの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
た》く間に剃刀屋の新店が出来上った。安全剃刀の替刃《かえば》、耳かき、頭かき、鼻
毛抜き、爪切《つめき》りなどの小物からレザー、ジャッキ、西洋剃刀など商売柄、銭湯....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
門が、そろそろとまたむっつり右門の右門たるところを遠慮なく発揮しだしましたので、
毛抜きを取り出しながらあごひげの捜索を始めたのもその一つですが、それよりもっと変....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おのがお小屋に帰っていくと、ごろり横になりながら、自信そのもののごとくに、すぐと
毛抜きを取り出したものでした。 2 待つことおよそ小半とき――。日は....
「二百十日」より 著者:夏目漱石
《ふと》った爺《じい》さんが、丸い背《せ》を柱にもたして、胡坐《あぐら》のまま、
毛抜きで顋《あご》の髯《ひげ》を一本一本に抜いている。髯の根をうんと抑《おさ》え....
「縮図」より 著者:徳田秋声
るつもりで出かけたのだったが、帰って来ると、往復の汽車賃や弁当代までを割勘にし、
毛抜きで抜くように取り立てられたのであった。 「それもいいけれどさ、一人じゃ汽車....
「三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
作の再現は、江戸中へ、拡がった。 二十六 大作は縁側へ出、庭に向って、
毛抜きで、頤髭《あごひげ》を抜いていた。 (何時捕えられるかもしれぬ――いつ、捕....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
。その隣りが浅利屋という船宿、此所を浅利屋河岸といった。表通りの金麩羅屋の向うに
毛抜き屋があった。この店の
毛抜きは上手といわれたもの、いろいろ七ツ道具が揃ってい....
「寒鮒」より 著者:佐藤垢石
木釣りの場合は四寸か五寸で、脈釣りの場合は一尺くらいの長さにする。鈎素のテグスは
毛抜きを使用する必要はない、磨きの一厘柄で結構である。錘は、流速の様子によって調....
「西航日録」より 著者:井上円了
。船中にはインド人の乗客多し。その習俗として、鬚髭を刈るにかみそりを用いず、毎日
毛抜きをもって抜きおるを見る。これを見るすら、なお痛癢を感ずるなり。 十三日、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あっしがいいおちつき場所をきめておいたから、六波羅の内へ入って、せいぜい、鼻毛の
毛抜きと虫蝕い本でもそばにおいて、独りでおうたくらな熱でも吹いているがいい」 「....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
めがである。――お疲れはごむりもないと、彼もそれは合点の容子だ。 ふところから
毛抜きをとり出し、懐紙を持ち添えて、鼻の毛など抜いていた。 だが、そのつれづれ....