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毛織
「毛織〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
毛織の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ボンも同じ色で、やはり見た所古くはないらしい。靴下はまっ白であるが、リンネルか、
毛織りか、見当がつかなかった。それから髯《ひげ》も髪も、両方とも白い。手には白い....
「食魔」より 著者:岡本かの子
験を話した。その料理店の食堂は、扉の合せ目も床の敷ものも物音立てぬよう軟い絨氈や
毛織物で用意された。色も刺激を抜いてある。天井や卓上の燭光も調節してある。総ては....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
肥えたもの、脂肪多き女と食物、豚のカツレツ、ストーブ、火、火鉢、湯たんぽ、炬燵、
毛織物、締め切った障子、朱、紅、の色などいうものを好みなつかしむ心|甚だしい。 ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
帰ったあらゆるものがなるべくそのままつめ込んである。蓋を開けるとナフタリンと何か
毛織物の持つ特殊な外国風の匂いとが交ってパリの下宿にいた時の空気が今なおなつかし....
「野道」より 著者:幸田露伴
総糸が長く垂れているのはちょっと人目を側立たせたし、また他の一人の鍔無しの平たい
毛織帽子に、鼠甲斐絹のパッチで尻端折、薄いノメリの駒下駄穿きという姿も、妙な洒落....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
して、おべんとうを暖めたり、火鉢に火をつぎ足したりする。得意先や、日本一だという
毛織物会社の人が来ると、――この会社の一手販売をしている卸売業なのである――上等....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
いな。 老人の情けはそれだけではなかった。かれはわたしに水色ビロードの上着と、
毛織りのズボンと、フェルトぼうしまで買ってくれた。かれのやくそくしただけの品は残....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
てみると、煖炉は丁度いい加減に暖まっているので、堀部君は靴をぬいで寝床へ上がって
毛織りの膝掛けを着てごろ寝をしてしまった。李太郎はもう半分以上も燃えてしまった蝋....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
がらのそのそ歩いてゆくと、彼の腕は、鳥が翼をばたばた羽ばたくように動いた。小さな
毛織りの帽子は額があまり狭いので鼻の上に乗っているように見えた。そして、黒い上衣....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
してよ、こんな商売、私、随分、寂しいのよ。 イベットは両手で小田島の腕を握り、
毛織物を通して感じられる日本人独特の筋肉が円く盛上った上膊に顳※を宛がった。そし....
「ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
を待て」 と、法王の旨を伝えた。 そこでヘンリー四世は、髪をかむり、洗足で、
毛織の服を着て、すなわちみすぼらしい平民の姿で城門の前に佇み、氷柱むすぶ厳冬の候....
「城」より 著者:カフカフランツ
た。「ごらんなさいな、このショールはきれいでしょう?」
それはKにはありふれた
毛織の布のように見えた。ただお世辞だけのために一度さわってみたが、一言もいわなか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
僕であったです。
この一隊はカシミール地方の産物の乾桃、乾葡萄及び絹物あるいは
毛織物類をラサ府に持って行き、そうしてラサ府から茶、仏像、仏画の類を買って来るた....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の赤さんなの。
それを蔭言の好な保姆さん達が
智慧のない空頼に、
綺麗な、軟かい
毛織の襁褓にくるんで、
結構な上著を巻き附けていました。
ところが、その横著赤....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
こと川西龍三氏は旧川西航空機の社長になった人だが、その父君の二代目清兵衛氏は日本
毛織の創立者として有名な人である。大だんなの先代清兵衛氏も当時はまだご存命で、な....