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「毫も〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毫もの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
愛は私の個性を哺くむために外界から奪い取って来る。けれどもその為めに外界は寸毫も失われることがない。例えば私は愛によってカナリヤを私の衷に奪い取る。けれども....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
定ずくの話であって、この協定のどこの部分を拡大鏡にかけてみても精神的な結合などは毫も発見されないのである。 だからこの協定もある温度のもとにおいてはあとかたも....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
と身体を固めて、端然として坐したるまま、まおもてに良人の面を瞻りて、打解けたる状毫もなく、はた恥らえる風情も無かりき。 尉官は腕を拱きて、こもまた和ぎたる体あ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
た事がある。 しかるに、近所では美しいと、しおらしいで評判の誉物だった母親が、毫もこれを真とはしない。ただそうですか済みませんとばかり、人前では当らず障らずに....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
。汝は優勢なる魔群の存在を不思議に思うらしいが、事実はその通りであり、而かもそは毫も怪むに足らぬ。魂は地上生活そのままの姿で、彼岸に歩み入るのである。その趣味、....
映画と音楽」より 著者:伊丹万作
ど音楽を排斥するということがいえそうに思える。しかしてそれは音楽の質のいかんには毫も関係を持たないことなのである。そしてこのことは映画の芸術がある意味でリアリス....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
であり得るはずはない。いわんや、このようなむだな投票を棄権したからといつて、私は毫もおのれの良心に恥ずるところはない。むしろ、日本国民中の有権者の全部が、なぜい....
取舵」より 著者:泉鏡花
体無く領伏したる髪の乱に汚穢を塗らして、半死半生の間に苦悶せり。片隅なる盲翁は、毫も悩める気色はあらざれども、話相手もあらで無聊に堪えざる身を同じ枕に倒して、時....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
わち明治政府において外国の金を借り、またその人を雇うて鉄道海軍の事を計画したると毫も異なるところなし。小栗は幕末に生れたりといえども、その精神気魄純然たる当年の....
三枚続」より 著者:泉鏡花
あるから、音楽に長けたる鴨川夫人が、かつて弟子の中の一|人であったことをもって、毫も先生の品行を怪んではならぬ。 世には夫人が、おもて向き結婚してから八月目と....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
からず。しかるに、その女の言語、動作を熟察するに、かつて常人と異なるところなく、毫も精神異常の徴候を発見することあたわざるはなんぞや。さりとて、故意説にもなお疑....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
内に礼壇あり、その上に十字架上のヤソ像と花瓶、燭台あり、別に説教席と読経席あり、毫もローマ宗の寺に異なることなし。非国教宗にては礼壇なし、ただ説教席あるのみ。 ....
西航日録」より 著者:井上円了
餅もみな盆餅と呼ぶぞおかしき 数の子あり、煮豆あり、カマボコあり、本邦の正月に毫も異なることなし。「ボンベイ元旦」の題にて二首を作る。 西竺今朝遇歳元、海風送....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
移り、夜十一時日の没するときは、ほとんど正北に近き方位にあり。没後北天紅を吐き、毫も白昼と異ならず。ひとり室外のみならず、室内にても灯なくして書を読むを得。太陽....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
も大なる作用を為しているが、しかし良く戦争目的を確保し、有利の場合も悲境の場合も毫も動揺しなかった事が一大原因である事を忘れてはならぬ。持久戦争に於ては特に目前....