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「毫釐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

毫釐の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
屠《ほふ》る遺恨の刃を磨くのである。君の為め国の為めなる美しき名を藉《か》りて、毫釐《ごうり》の争に千里の恨を報ぜんとする心からである。正義と云い人道と云うは朝....
明暗」より 著者:夏目漱石
であった。そうしてそれが彼女の秘密であった。愛する人が自分から離れて行こうとする毫釐《ごうり》の変化、もしくは前から離れていたのだという悲しい事実を、今になって....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
に定められている。或定まった事情よりは、或定まった一の現象を生ずるのみであって、毫釐《ごうり》も他の可能性を許さない。自然現象は皆かくの如き盲目的必然の法則に従....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
自然現象においてはある一定の事情よりは、ある一定の現象を生ずるのであってその間に毫釐も他の可能性を許さない。全く盲目的必然の因果関係によりて生ずるのである。しか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば、原稿の回数をひきのばすために、無用のペン先を弄《ろう》するわけでもない。 「毫釐《ごうり》有差天地懸隔」の道理が、可憐なる大菩薩峠の作者に、こうも筆を運ばせる。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
でちょっと気が変ったばっかりに、この通り舟の方向が、すっかり変ってしまいました。毫釐《ごうり》も差あれば天地はるかに隔たるとは、まことにこの通りでございます」 ....
生前身後の事」より 著者:中里介山
彼の最も悪いところを賞めるのである、彼の最もよいと云われるところは我輩から見れば毫釐《ごうり》の差が天地の距りとなっている、彼が最後まで机竜之助を演りたい演りた....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
2が4というは欺くべからざる確実の数理であっても、科学者が天体を観測するに方って毫釐の違算がしばしば何千万億の錯誤を来すと同様に、眼前の研究にもまた同じ誤算がな....