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氏の上
「氏の上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氏の上の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
あるといった。 墨汁師も首肯していった。戴氏|独立の表石の事は始て聞いた。池田
氏の上のみではない。自分も黄檗の衣鉢を伝えた身であって見れば、独立の遺蹟の存滅を....
「惜別」より 著者:太宰治
にしてもらおうか。あれなら、無難だ。」 私は思わず、くすと笑ってしまった。津田
氏の上顎が全部ぶさいくな義歯なのを看破したからである。ブラザー軒のカツレツを靴の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ておいでになるのも道理なことで、恋にくらんだ源氏の目にももったいなく思われた。源
氏の上着などは王命婦がかき集めて寝室の外へ持ってきた。源氏は二条の院へ帰って泣き....
「源氏物語」より 著者:紫式部
って、源氏は無意識に塗籠《ぬりごめ》(屋内の蔵)の中へ押し入れられてしまった。源
氏の上着などをそっと持って来た女房も怖《おそろ》しがっていた。宮は未来と現在を御....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。
この恐ろしい男は上述のとおりの者であった。
ジャヴェルは絶えずマドレーヌ
氏の上に据えられてる目のごときものだった。疑念と憶測とに満ちた目だった。マドレー....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
霊が自分をじっと見つめてるように思われた。
テナルディエは一息ついて、ルブラン
氏の上に血走った瞳《ひとみ》をすえ、低いぶっきらぼうな声で言った。
「今貴様を踊....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。そしてその目は、まだ昏睡的《こんすいてき》な驚きにおおわれながら、ジルノルマン
氏の上に据えられた。
「マリユス!」と老人は叫んだ、「マリユス、わしの小さなマリ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
リ・インデアンが二十人余り、獣のように飛び出して来たが、起きようともがくホーキン
氏の上へ折り重なって組み附いた。二十人に一人では敵うべくもなく、見る間にホーキン....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
伯爵がたいへんあなたの事をよく云って居られました」 この一言の注射はスワンソン
氏の上機嫌を二十四時間保たしめる。 夫人は後妻だ。彼女が前に経験した初婚の年齢....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
救うことが出来なかったが、しかしこの時の島津の兵は後詰めの兵なのである。又、尼子
氏の上月城を毛利の兵が攻めた時、秀吉が上月城を助けようとして出兵した、それも後詰....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
引くように、全軍の関東勢が乱離となって逃げ薄れたのはぜひもない。しかし副将足利高
氏の上流軍は、まだ健在のはずである。そのため、上流へ落ちて行く兵も少なからずあっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
へ上陸ったら、味方は窮地におちいるほかないぞ。――それゆえ、義貞は陣を転じて、尊
氏の上陸を迎え撃つ」 「して、先陣にある方々は」 「徐々に、義貞のあとを慕って、....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
時代の主流は、なお、都にあった。特に、後白河法皇のおわす院と、平相国清盛が一門平
氏の上にあった。けれど、やがて崩壊をきたす危殆の素因も、また、華やかなる栄花的謳....