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氏の長
「氏の長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氏の長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
》に染められて、彼もまた次第に華美を好むように移り変わって来た。もう一つには藤原
氏の長者という大いなる威勢をひとに示そうとする政略の意味も幾分かまじって、きょう....
「仮装観桜会」より 著者:佐左木俊郎
った。そして、彼は養父の態度に対して反感をさえ抱いていた。 賢三郎は、前田弥平
氏の長女|弥生子《やよいこ》と婚約をしたころの賢三郎ではなくなっていた。婚約当時....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
氏が病院へ出かける時間は大体午前九時三十分に決っていて、必ず其の時間には紋切型に
氏の長身が太い御影石の門に現われるのでした。私は細田氏に拾われることを信じ乍らも....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
好感の持てる氏の都会児らしい行儀の好い態度、そして朝風に黒上布の単衣の裾が揺れる
氏の長身を、怜悧に振りかざした鞭のように私はうしろから見た。画家K氏は二三日前一....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
は面白い人がある。それは政元よりも遥に立派な人である。 関白、内大臣、藤原氏の
氏の長者、従一位、こういう人が飯綱の法を修したのである。太政大臣|公相は外法のた....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
な足取り、敬虔《けいけん》な面持で歩をはこんでいる。と、そのあとから聖者レザール
氏の長身が現われた。僧正服《そうじょうふく》とアラビア人の服とをごっちゃにしたよ....
「水の女」より 著者:折口信夫
を灌ぐ役を奉仕していたらしい。これが、御名代部の一成因であった。壬生部の中心が、
氏の長の近親の女であったことも確かである。こうして出現した貴種の若子は、後にその....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
ろ、その人を愛するな」 聞き手が両先生だけならよかったのだが、その席に前山一作
氏の長男光一というヤクザな青年がいたのである。光一は花子さんの子供ではない。花子....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ま子供達の面倒を見て下さいませんか。」と、云った。 「はア。」 新子は、準之助
氏の長い無言の散歩が、何を意味していたかが、そのときハッキリと分った。 主人と....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、否、常に相続をめぐって、お家騒動の絶え間なき連続のようなものだ。藤原一門自体が
氏の長者だの関白をめぐって父子兄弟の絶え間なき争いでもあった。藤原氏にも三種の神....
「大塚楠緒子」より 著者:長谷川時雨
なされたものの中に、大学の文科においでなさった頃の博士と、前東京控訴院長大塚正男
氏の長女の楠緒さんとは、思いあっておむかえなされた仲のように書かれてあったかと覚....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
との間は、会って話し合う事があれば、互にうちとけて昔の親しさに返るのであるが、源
氏の長男夕霧と内大臣の娘雲井雁との恋愛問題があったり、其他周囲の事情が色々加って....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
作氏も、文学の面白さがその思想性に由来することを、力説している。私はこの主張が、
氏の長篇『再建』(特に後半)に於て、相当実証されているように考える。 だがこの....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
渠らは貴族という条、マダ出来立ての成上りであった。一千年来の氏族政治を廃して、藤
氏の長者に取って代って陪臣内閣を樹立したのは、無爵の原敬が野人内閣を組織したより....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
」 「はい。あれは私の親友で、辰馬久という者でございます。有名な実業家辰馬増之助
氏の長男で、京大を中途退学して、只今は親爺さんの辰馬銀行に勤めて居ます」といささ....