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氏神
「氏神〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
氏神の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。――おお、いろいろな物が並んでいますな。」
母の枕もとの盆の上には、大神宮や
氏神《うじがみ》の御札《おふだ》が、柴又《しばまた》の帝釈《たいしゃく》の御影《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はみんな手分けをして心当りを探索することとなった。奥様は日頃信仰する市ヶ谷八幡と
氏神の永田町山王へ代参を立てられた。女中のある者は名高い売卜者《うらない》のとこ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
すよ。ね、ハナ子さん……でしたかネ」 僕が不用意に放った失言が、女にとって時の
氏神のユーモアであったのだろうか、彼女は泣くのをピタリと停めた。 「あたくしの名....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
かためた新手村では、信州にかくれもなき怪しげな年中行事が行われ、毎年大晦日の夜、
氏神詣りの村人同志が境内の暗闇にまぎれて、互いに悪口を言い争ったという。 誰彼....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
よ。――さあ起きなさいよォ」 お千はすっかり機嫌を直していた。 配給品が時の
氏神であった。二人はそれを並べて幾度も手にとりあげては、顔を見合わせて笑った。 ....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
母さんがことづけをしたわ。……何だかこの二三日、鬱込んでいらっしゃるから、貴方の
氏神様もおんなじ、天神様へおまいりをなさいまし、私も一所にッて、とても不可ないと....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
うだけに、黙ってはおられません。何だか寝覚が悪いようだね。」 「ええ、串戯にも、
氏神様の知己じゃと言わっしゃりましたけに、嘉吉を荷車に縛りましたのは、明神様の同....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ちびちびと敵を取ろうと思ったが、恐入って飲めんのでした。――お嬢さん、貴女は、
氏神でおいでなさる。」 大正五(一九一六)年一月....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
これを着るよ。余りの事ゆえ尋ねるが、おのれとても、氏子の一人じゃ、こう訊くのも、
氏神様の、」 と厳に袖に笏を立てて、 「恐多いが、思召じゃとそう思え。誰が、着....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
に通った事であった。 やがて近づく、御手洗の水は乾いたが、雪の白山の、故郷の、
氏神を念じて、御堂の姫の影を幻に描いた。 すぐその御手洗の傍に、三抱ほどなる大....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
が家。ここの小松の間を選んで、今日あつらえた地蔵菩薩を―― 仏様でも大事ない、
氏神にして祭礼を、と銑さんに話しながら見て過ぎると、それなりに川が曲って、ずッと....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
詰め切って、それはそれは親身になってよく尽してくれ、私の病気が早く治るようにと、
氏神様へ日参までしてくれるのでした。 ある日などは病床で香織から頭髪を解いて貰....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
は友の私を思って下さる美しいものが溢れているのである。そこで私は仲にはいって時の
氏神をつとめたのである。 「今のお二人のお言葉こそ何よりのご馳走様でございます。....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
渠を獅子屋さんと渾名した。誉過ぎたのでもありません、軽く扱ったのでもありません。
氏神の祭礼に、東京で各町内、侠勇の御神輿を担ぐとおなじように、金沢は、廂を越すほ....
「海のまぼろし」より 著者:小川未明
「私が、お約束をいたします。勇ましい、遠い船出から、あなたのお帰りなさる日を、
氏神にご無事を祈って、お待ちしています。」といいました。 こう女にいわれて、喜....