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「民家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

民家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
の時もう白襷隊は、河原の向うへ上っていた。そこには泥を塗《ぬ》り固めた、支那人の民家が七八軒、ひっそりと暁《あかつき》を迎えている、――その家々の屋根の上には、....
或る女」より 著者:有島武郎
色に染めたコケットの、髪の中のダイヤモンドのように輝いていた。その崕《がけ》下の民家からは炊煙が夕靄《ゆうもや》と一緒になって海のほうにたなびいていた。波打ちぎ....
放送された遺言」より 著者:海野十三
が昨夜ついに逓信局の手に逮捕せられたことと、「白川飛行学校の夜間飛行挙行の一機が民家に墜落して、屋根を破ったのみか天井裏でラジオ研究中の同家長男天野祐吉(二四)....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
前から消して置く。これが警戒管制です。僕、受持は、水の公園と、あの並び一町ほどの民家なんです」 「民家!」長造はニヤニヤ笑い出した。「生意気な言葉を知ってるネ。....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
たとき、警戒警報が発令された。あまり灯火を消す風も見えず、憲兵隊の漏灯をはじめ、民家にもコウコウたる点灯の洩れているのを見る。焼跡だからとの油断らしい。大橋に至....
洪水大陸を呑む」より 著者:海野十三
た。方々に、えんえんと火がもえあがっていた。神へささげるかがり火か、それとも賊が民家に放った火か。ものすごい光景に、三四郎はたびたび目をふせねばいられなかった。....
空襲警報」より 著者:海野十三
とよばれる破甲弾や地雷弾とちがって、あまり大きな破裂音をたてない。だが投下弾は、民家の屋根を貫き、天井をうちぬいて畳の上や机の横に転がり、そこではじめてシュウシ....
狂女」より 著者:秋田滋
しくと云った恰好をして歩いている。やがて、頭立った将校があつまって、部下の将兵を民家に割りあてた。僕のうちには十七人、隣りの狂女のところには十二人来ることになっ....
暗号数字」より 著者:海野十三
出すからいってくれ、秘密連絡所として市内某所を記した名刺を手渡した。そこは普通の民家を装ってあるが、長距離電話もあれば、電信略号もあり、振替番号まで詳細に記載し....
余齢初旅」より 著者:上村松園
甘露寺へ行くと、石の段がずっと上まで続いている。石段の登り口のあたりにきたない民家がある。そこから四つぐらいから十までくらいのまずしい子供たちが出て来て、その....
迷信解」より 著者:井上円了
すれば、決して怪物に遭遇することなしというがごときは、まだ怪しむに足らぬ。もし、民家の入り口に張り付けたるものを見るときは、異類異形のものが折々掛けてある。こと....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るときは、インド、シナ諸方の実況を目撃せるによる。 船インドに着し、その市街、民家、林園等を観察するときは、おのずからわが日本の実況を提出するに至る。これ、そ....
西航日録」より 著者:井上円了
材木を積みて四壁に代用し、一つとして土壁を塗りたるものなし。木造草舎は実にロシア民家の特色なり。一見すべて貧家の状態あり。これに住するものは、多く垢衣跣足、東洋....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
こと。巡査が木棒を携うること。そのほか競馬に熱中すること、消防組の勢力あること、民家の不潔なること等は、前にすでに述べたるところなり。そのほかチリの特色とすべき....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
環境と無関心のその有様は自分がただ一ところに足を踏み交わしているだけで、街道筋の民家が却って並木と共に西へ西へと歩いて行くと思われたほどだった。 兵庫から船へ....