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民情
「民情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
民情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
役場に接近せる社、もしくは伐るべき樹木少なき神社を選定せるものにて、由緒も地勢も
民情も信仰も一切問わず、玉石混淆、人心恐々たり。 拙見をもってすれば、従来神恩....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
さも彼には想い当たった。今度の御巡幸について地方官に諭された趣意も、親しく地方の
民情を知し召されたいのであって、百般の事務が形容虚飾にわたっては聖旨に戻るから、....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
は、決して容易の事ではなく、多くの心労と、多くの歳月とをもって漸《ようや》くその
民情に適し、その時要《じよう》に応ずるだけを継受することが出来るものである。しか....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
職する有象無象大小の地方官公吏が斜二無二迎合して姦をなし、国家の精髄たる歴史をも
民情をも構わず、神社旧跡を滅却し神林を濫伐して売り飛ばせてテラを取り、甚だしきは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のがいまだに残っているよ。道楽で碁を打つんじゃない、ああしているうちに、偽らざる
民情が聞けるからだ」 「日本国中で民政のよく行届いたところは、まず甲州と、尾州と....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
、弥之助は都会のどんな大廈《たいか》高楼にも魅惑を感じないが、この原始的生活の植
民情味というものには、渾身の魅惑を感じない訳には行かない。弥之助の最初の理想では....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
まがってしまった。
どこへ? というあてもない。
いわばぶらぶら歩きである。
民情に通じ、下賤《げせん》を究《きわ》めることをもって奉行職の一必要事と観《かん....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ていますから、それを持って来ていただきたいの」 目安箱というのは、歴代の将軍が
民情を知る具にした訴状箱で、老中の褒貶《ほうへん》、町奉行、目付、遠国の奉行の非....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ところで、明日はいよいよ鶴御成。国事多端のおりからにも古例を渝《か》えたまわず、
民情洞察の意をもって鷹野の御成をおこなわせられること、誠にもって慶祝のいたり、物....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
しむるを要すると同一般なり。 宗教もまたしかり。わが国には千百年来、わが国体、
民情に適合せる宗教あり、西洋各国にはその国体に適合せる宗教あり。すなわち共和政治....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に暗く、余もいまだ足跡をしるしたることあらず。ゆえに、地方巡遊中もときどき豪州の
民情、あるいは南米の風土等に関し、尋問を受くることあるも、これに応答するを得ず。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
は輸入消費地であります。しかし、ただの輸入消費ではありません。輸入するにも、国土
民情に適したものを篩い選り、そしてさらにこれを民族精神で精製し直し、全く日本的の....
「三国志」より 著者:吉川英治
、ことばを続け、 「それに較べると、河南の許昌は、地味豊饒です。物資は豊富です。
民情も荒んでいません。もっといいことには、かの地には城郭も宮殿も備わっています。....
「三国志」より 著者:吉川英治
物か」 「諸葛亮、字は孔明、また道号を臥龍先生と称して、上は天文に通じ、下は地理
民情をよくさとり、六韜をそらんじ、三略を胸にたたみ、神算鬼謀、実に、世のつねの学....
「三国志」より 著者:吉川英治
が、なお幾度も振向き合った。 ここしばらく、孔明は荊州にいなかった。新領治下の
民情を視、四郡の産物など視察して歩いていた。 彼の留守である。※統が荊州へ来た....