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「民風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

民風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
年だった。織田といった。金持の家の息子に育ったこの青年は、時代意識もあり、逆に庶民風のものを悦ぶ傾向が強くて、たいして嫌いでもなかった鏡子をも、お嬢さん育ちの金....
近時政論考」より 著者:陸羯南
常とす、当時なお封建の余勢を承け三百年太平の後に当たり、人心散乱公同の思想なく、民風卑屈自立の気象なし、全国はただ依頼心と畏縮心とをもって充満せられたり。国富派....
安重根」より 著者:谷譲次
の石畳の下手に電柱が一本よろけている。 劉任瞻――医師兼薬剤師。老人、ロシアの農民風の服装。 劉東夏――その息子。十八歳。ルバシカに露兵の軍帽をかぶっている。 ....
道標」より 著者:宮本百合子
しまったけれども、ヨーロッパのこっちはこれまでの貴族をなくしただけでそのまま小市民風の安定と安逸に落付こうと欲している人々の感情を反映し、またその気分にアッピー....
今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
森山啓氏の「収獲以前」という作品は、小市民としてのインテリゲンツィアとその庶民風な親族との家庭生活のいきさつを描いたものであったが、民衆生活の内に齎《もた》....
鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
てうちかけられている疑問であるが故に生新であるが、その基本は近代常識の極めて小市民風な実際性に立つ暴露に置かれていることを理解して来ると思う。 菊池寛のこの人....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
であったが、「結婚の生態」では、この社会の世俗の通念でいい生活と思われている小市民風な生活設計を守るために、本能も馴致されなければならないものとされ、そのために....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
を経験しただろうか。 日頃から一葉の生活では、自身の環境として身についている庶民風なものと、萩の舎門下としての貴族的なものとが、とけ合うことなく相剋しつづけて....
政治と作家の現実」より 著者:宮本百合子
とを、学んだという意味なのである。個人生活はいや応なくおしひろげられていて、小市民風な保守の個人主義の枠内で、つじつまは合わせきれなくなってきている。個的財布の....
あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」より 著者:宮本百合子
あき足らず、さりとて無産階級の文学運動に対しては自分たちの属している社会層の小市民風な生活感情から共感がもてず、どちらに向っても抵抗しながらドイツの表現派の手法....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
《あ》り得ない。そんな話が出ました。それに文化性の要求というものが、どんなに小市民風なものとけじめなくまざり込んでいるかという点についても。例えば、白いシーツを....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
心付いていない鈍さがいやでやめました。「伊太利亜の古陶」もわるい。やはりその小市民風なつべこべを自覚していないで、それにのっている。面白いでしょう? そういう作....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
まざとしたから。 面白いでしょう、歴史の大転換の時代に、多くの人々が却って小市民風に何となし自分一人一人の安寧、マアかつえない日々をよしとする気分におかれてい....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
した、その中で父さんは破れシャツ、破れズボン、ザン切り頭で、すこしやせて、南方土民風にしゃがんで、鴎外を論じ『日本戦記』を見せてくれました。馬糞物語では余り現代....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
みれの靴は綺麗に拭かれていた。 頭の禿げ上った乳っぽい赤ら面の、眼の柔和な、農民風の五十男の露助が、何か羞恥んだような驚きと親しさを見せながら、立ちあがると私....