»
気
「気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
7
この玩具屋のある仲店の片側。猿を見ていた少年は急に父親のいないことに
気がつき、きょろきょろあたりを見まわしはじめる。それから向うに何か見つけ、その方....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
弗の小切手を見ると、急に愛想がよくなりました。 「こんなに沢山頂いては、反って御
気の毒ですね。――そうして一体又あなたは、何を占ってくれろとおっしゃるんです?」....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
自分は菊池寛と一しょにいて、
気づまりを感じた事は一度もない。と同時に退屈した覚えも皆無である。菊池となら一日....
「狂女」より 著者:秋田滋
のうちには少佐がひとりいた。これがまた、ひどく頑冥な老朽士官で、鼻ッぱしの荒い、
気むずかし屋だった。 最初の幾日かのあいだは何ごともなく過ぎた。その将校には、....
「墓」より 著者:秋田滋
頻りに戸の下のところを嗅いでいる。そこで墓番のヴァンサンは、銃を手にして、四囲に
気をくばりながら戸外へ出た。 すると犬は、ボネエ将軍路のほうを指して、一目散に....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
かの手記を読む人々のために書いているのではない、ともすれば弱くなりがちな自分の勇
気をかきと云って聞かせるために綴るのだ。 私は素朴な両親にそだてられた。彼らは....
「初雪」より 著者:秋田滋
飛び交っている、目映いばかりに照りはえた青空を見上げたり、遠くエストゥレル山塊の
気まぐれな峯の姿を眺めたり、また近く足もとに寄せて来る静かな海の綺麗な紺碧の水に....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、この県下に第一ならば全国の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに
気強くなりて、密かに我腕を我と握りて打笑みたり。この頃の考えには学者政治家などと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
では結果が出なくてもなる。 またファラデーの伝記は決して無味乾燥ではない。電磁
気廻転を発見して、踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に行き、入口の所でこみ合って喧嘩....
「寡婦」より 著者:秋田滋
バヌヴィルの館で狩猟が催されていた、その間のことである。その秋は雨が多くて陰
気だった。赧い落葉は、踏む足のしたでカサとの音もたてず、降りつづく陰欝な霖雨にう....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
けさがただよっているし、またその住民はむかしのオランダ移住民の子孫だが一風変った
気質をもっているので、このさびしい谷は長いあいだスリーピー・ホロー(まどろみの窪....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
大工とその女房が膳につこうとすると、子供がいつの間にか家にいなくなっていることに
気がついた。庭のなかを探してみたが、やッぱりいない。そこで父親は道ばたに出て、声....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
こともあり、殺すために殺すこともある。――殺すということは、もともと、われわれの
気質の中にあるものなのだ。殺さずにはいられないのである。禽獣は、絶えず、毎日、生....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
時の頃からかは、はっきりしない。何でも幼い頃からで、産れながらに知っていたような
気もする。 「夢野久作ってのが、頻りに探偵小説の様なもの――事実探偵小説の様なも....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
秋になると、岩名や山魚が沢山に泳いでいました。村の人たちは、みんな楽しそうに、元
気で働いていました。 伊作、多助、太郎右衛門の三人は、ある秋の末に、いつものよ....