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「気力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
た。が、当時の私にはそう云う親切な言葉の手前、外見だけでも健康を顧慮しようと云う気力さえすでになかったのでございます。と同時にまたその連中の心配を利用して、病気....
或る女」より 著者:有島武郎
が、もうそこいらには散歩の人足《ひとあし》も絶えていた。けれども葉子は船室に帰る気力もなく、右手でしっかりと額を押えて、手欄《てすり》に顔を伏せながら念じるよう....
或る女」より 著者:有島武郎
ように葉子を寝床の上にどんとほうり投げた。 葉子の力は使い尽くされて泣き続ける気力さえないようだった。そしてそのまま昏々《こんこん》として眠るように仰向いたま....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
がない。僕だっていっそ気違いになってしまったらと思った位だから、母を慰めるほどの気力はない。そうこうしている内にようやく母も少し落着いてきて、また話し出した。 ....
転機」より 著者:伊藤野枝
から伝わる寒気に体中の血は凍ってしまうかとばかりに縮み上がって、後にも先にも動く気力もなくなって、私はもう半泣きになりながら、山岡に励まされて僅かの処を長いこと....
」より 著者:池谷信三郎
ったが、彼は石のように無言のまま、彼女と別れてきたのだった。橋の所まで送って行く気力もなく、川岸へ出る露路の角で別れてしまった。 シイカはちょっと振り返ると、....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
何物も見えなくなったのである。 「ラザルス。お前はわしの命を奪った。」と、皇帝は気力のない声で言った。 この失望の言葉が彼自身を救った。皇帝は自分が庇護しなけ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ることがないではない。之を要するに日曜日は、心身の安逸と、過度の飲食から来る、無気力無感覚とが伴い勝ちであるから、心霊実験には、あまり面白いとは言われないのであ....
戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。 このことは、過去の日本....
取舵」より 著者:泉鏡花
た。もとよりあのくらいの潟だから、誰だッて漕げるさ、けれどもね、その体度だ、その気力だ、猛将の戦に臨んで馬上に槊を横えたと謂ッたような、凛然として奪うべからざる....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
生ずるだろう」と書いてあるが、これは二十八年後に、と見做している。 次には、電気力) かように、研究を出してはおったものの、身体が段々と衰弱して来たので翌一....
活人形」より 著者:泉鏡花
、得三ほとんど責倦みて、腕を擦りて笞を休めつ。老婆はお藤を突放せば、身を支うべき気力も失せて、はたと僵れて正体無し。 得三は、といきを吐きて高田に向い、「御覧....
西航日録」より 著者:井上円了
て、親しみ難き風あるも、アイルランド人は親しみやすき傾きあり。しかして堅忍不屈の気力にいたりては、アイルランド人のはるかに英人に及ばざるところなり。要するに、ア....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
するかという抱負経綸が示され、日本国民に独立の気魄を吹き込み、民族として立ち上る気力を与えることが、その務めであるにもかかわらず、吉田内閣積年の宿弊は、独立後の....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
集中せんと決心したが、諸隊の混乱甚だしく、精神的打撃甚大で全く積極的行動に出づる気力を失った。 ナポレオンは十七日主力をもって西進を開始したが、コッリーは退却....