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「気品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
ぞもしょっちゅう日本髪でお過しになりましたが、それがまたなんともいえない粋な中に気品があって、失礼ながら校長様の奥様としても、申し分ないほどお美しい方でしたし、....
白妖」より 著者:大阪圭吉
白髪頭の、小さな白いエヴァンスの顔だった。愛する富子の清浄をどこまでも守り通した気品と、罪への恐怖と悔恨に、引き歪められたエヴァンスの顔だった。 (「新青年」昭和十一年八月号)....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
デーの上に黒い西洋棺桶のようなものが載っている。そして運転しているのは女だった。気品のある鼻すじの高い悧巧そうな顔――だがヒステリー的に痩せぎすの女。とにかくそ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
いつまでも真夏がつづいているように暑かった。ミチミは何処で求めたものか彼女らしい気品の高い単衣を着、そしてその上に青い帯を締めていた。 「よく分ったネ。こんな所....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でした。その娘はよほど良い家柄の生れらしく、丸ポチャの愛くるしい顔にはどことなく気品が備わって居り、白練の下衣に薄い薄い肉色の上衣を襲ね、白のへこ帯を前で結んで....
無題抄」より 著者:上村松園
ねて来られ、私もお伺いして絵の稽古をしていられました。 武子さんの、あの上品な気品の高い姿や顔形は、日本的な女らしさとでもいうような美の極致だと思います。 ....
作画について」より 著者:上村松園
のするものでありますから、そこをねらって優美なうちにも毅然として犯しがたい女性の気品を描いたつもりです。 序の舞は、ひとつの位をもった舞でありまして、私は型の....
車中有感」より 著者:上村松園
ている思いであった。 「洋髪でも、これくらい日本美を立派に取り入れた、これくらい気品のあるものなら、自分も描いてみたいものである」 わたくしは、そう思うと、そ....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
人というと、なかなかいないものだと思いました。第一、あの社会の人だと、何処となく気品に乏しいので、これ一つでもすでに欠点になります。そこに行くと武子さんくらいの....
決闘場」より 著者:岡本かの子
て居た彼女は、空元気さえもう長く張りつめて居られなかった。彼女は白磁のように自い気品のある顔の表面をなお更ら無理に緊くして二人の男に命令した。 ――私の為めに....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
描く画家も、株を買う了簡で描いてもらう依頼者もなかった。時勢が違うので強ち直ちに気品の問題とする事は出来ないが、当時の文人や画家は今の小説家や美術家よりも遥かに....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
いえば虚飾家だが黒斜子の紋附きを着て抱え俥を乗廻していた時代は貧乏咄をしていても気品を重んじていた。下司な所為は決して做なかった。何処の家の物でなければ喰えない....
芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
湯上りと言いますと何だか意気に、そうしてやや下品な様に聞こえますがそうではなく極気品の高いものにして全体羅の中に玉の様な肩先から白い胸の辺り少し湯上りのぽっと紅....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
、一体あの血だらけの少女は何者だろう? 服装も立派だった、容貌にもどこか犯し難い気品があった、高貴の人である事は一目で分かる。これには確かに何か深い仔細があるに....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
、背の高い、青い顔をした三十五六の日本人でしたが、どこかにその人の育ちを思わせる気品があり、誰の目にも出のいい人だという事が分るような物腰でした。私は自分のはし....