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気早
「気早〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気早の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
卿に兜首の一つでも取らせてやりたいという心があったのだろう。が、この布令をきいた
気早の水野勝成《みずのかつなり》は、使番を尻目にかけながら、 「はや巳《み》の刻....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、右門のまなこの奥に、かすかなしずくの宿されているのが見えましたものでしたから、
気早な伝六にはそれがくやし涙と思われたのでしょう。 「お察しします……お察ししま....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
洗いましょうぜ! さ! 辰公! 何を遠慮してるんだッ。とッととしたくをしなよ!」
気早にせきたて、もう駆けだそうとしたのを、 「お待ちなさいまし。座頭ならば――」....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
帰りはしたが、そのことばつきには不平の色が満ちていたのです。 「ちえッ、だんなの
気早にゃ少しあきれましたね。くたびれもうけでしたよ」 「うそか」 「いいえ、人さ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
は隠れた。…… 無人で失礼。さあ、どうぞ、と先方は編上靴で手間が取れる。主税は
気早に靴を脱いで、癇癪紛に、突然二階へ懸上る。段の下の扉の蔭から、そりゃこそ旦那....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あれといううちに、女房のうしろ姿は岸から消えてしまった。 由五郎は今さら自分の
気早を悔んだが、これも遅かった。やがて引き揚げられた女房の死体は、わが子の死体と....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うよりも、何か潜在している――恐怖めいた意識に唆られているようだった。けれども、
気早な熊城はもはや凝っとしてはいられなくなったと見えて、さっそく彼女が朦朧状態中....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
んした、おほほ。」 ちゃッちゃッ、と笑いながら、お滝が木戸をポイと出る。糸七の
気早く足へ掛けたバケツの水は、南瓜にしぶいて、ばちゃばちゃ鳴るのに、障子一重、そ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
も得いわぬのである。 「ああ、剰銭と一所に遺失したんだ。叔母さんどの辺?」 と
気早に向き返って行こうとする。 「お待ちなさいよ。」 と遮って上げた手の、仔細....
「科学時潮」より 著者:海野十三
という峠のあたりに人影が見えた。人間らしくはあったが正しく怪物であった。一行中の
気早の若者が、射撃を加えた。人影は峠の彼方に消えた。一行はこれをきっかけに戦闘準....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
だ」 と彼は熱誠を以て説いた、聴衆はあたかも暗中に一閃光を認めたかのごとくに、
気早やなる連中は、 「実行実行!」 と絶叫したのであるが、さらに一人の空想家は....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
京から祭文語りが来て、佐倉宗吾の話をした時、降り積む雪は二尺あまりというたので、
気早の若者は、馬鹿を吐け、山の中じゃああるまいしと、大いに怒って撲りつけたという....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
す、と肩ぐるみに頭をついと一ツ下げて煙草管を収め、壺屋の煙草入三尺帯に、さすがは
気早き江戸ッ子|気質、草履つっかけ門口出づる、途端に今まで黙っていたりし女は急に....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
世式の空想的なる、複雑なる建物に囲繞せられたる、砦の中庭。)
先導の女
気早で痴な、ほんに女子染みた女子達だね。
目先の事に支配せられ、幸不幸や、天気模....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
それも、やっとのことで、どうにかブリッジに繋ぎ留めると、第三班からどかどかと
気早の連中が降り出す。「あぶない、あぶない。」である。 と、ランチにまたロップ....