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気楽
「気楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
い一座を見まわした。が、藤井はいつのまにか、円卓《テエブル》に首を垂らしたなり、
気楽そうにぐっすり眠《ね》こんでいた。
(大正十一年六月)....
「河童」より 著者:芥川竜之介
高山植物の鉢植《はちう》えを並べ、詩を書いたり煙草《たばこ》をのんだり、いかにも
気楽そうに暮らしていました。そのまた部屋の隅《すみ》には雌《めす》の河童が一匹、....
「葱」より 著者:芥川竜之介
間代《まだい》もなければ、一升七十銭の米代もない。カルメンは電燈代の心配もなく、
気楽にカスタネットを鳴らしている。浪子夫人も苦労はするが、薬代の工面《くめん》が....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
んだん生垣《いけがき》に変り出した。保吉は「朝日《あさひ》」を一本つけ、前よりも
気楽に歩いて行った。
石炭殻《せきたんがら》などを敷いた路は爪先上《つまさきあ....
「白」より 著者:芥川竜之介
。黒塀の外には春の日の光に銀の粉《こな》を浴びた紋白蝶《もんしろちょう》が一羽、
気楽そうにひらひら飛んでいます。
「ああ、きょうから宿無し犬になるのか?」
白....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に上り始めた。老人はその煙の中に立ち昇る火の粉を眺めても、やはり膝を抱きながら、
気楽そうに小声の歌を唱って、一向驚くらしい気色《けしき》も見せなかった。しかし間....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
籐《とう》の長椅子《ながいす》に寝ころび、この一本のマニラに火をつけ、夜もすがら
気楽に警戒しよう。もし喉《のど》の渇いた時には水筒のウイスキイを傾ければ好い。幸....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
ることを惧《おそ》れているのに違いありません。が、とにかくK君と一しょに比較的|
気楽《きらく》に暮らしています。現にゆうべも風呂《ふろ》にはいりながら、一時間も....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
今夜は麦酒《ビール》でも飲んで、大いに勇気を養って行き給え。」と、しまいにはさも
気楽らしい笑に紛《まぎら》してしまうじゃありませんか。新蔵は勿論それを、もどかし....
「或る女」より 著者:有島武郎
に書き記《しる》してあるようだった。
「こんなでたいへん変な所ですけれどもどうか
気楽《きらく》になさってくださいまし。それでないとなんだか改まってしまってお話が....
「女客」より 著者:泉鏡花
、理窟もつけよう、またどうこうというけれどね、年よりのためにも他人の交らない方が
気楽で可いかも知れません。お民さん、貴女がこうやって遊びに来てくれたって、知らな....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
感じ、と声に力を入れて、 「感じというと、何だか先生の仮声のようですね。」 「
気楽なことをおっしゃいよ!」 「だって、そうじゃありませんか、その気味の悪い、厭....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
るような気がする。気取った形容を用いれば、梅花書屋の窓を覗いて見ても、氏の唐人は
気楽そうに、林処士の詩なぞは謡っていない。しみじみと独り炉に向って、〔Re^vo....
「活人形」より 著者:泉鏡花
尋常ならぬに得右衛門は打笑い、「其方もいけ年を仕ってやくな。といえば赫となり、「
気楽な事をおっしゃいますな。お前様見たような人を怪我にも妬く奴があるものか。「お....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
論好い心持はしないさ。しかしみんながそんな気になったら、それこそ人殺しや犯罪者が
気楽で好かろうよ。どっちかに極めなくちゃあならないのだ。公民たるこっちとらが社会....