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「気焔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気焔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
で彼は手拭と垢すりとを流しへほうり出すと半ば身を起しながら、苦い顔をして、こんな気焔《きえん》をあげた。 「もっとも、当節《とうせつ》の歌よみや宗匠くらいにはい....
路上」より 著者:芥川竜之介
こかで一杯やって来たと見えて、まっ赤に顔を火照《ほて》らせながら、こんな下らない気焔を挙げた。 三十一 「但し御馴染《おなじみ》だって、借の....
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
はない。とにかく自分の現在の生活が都合よくはこびうるならば、ブルジョアのために、気焔《きえん》も吐こうし、プロレタリアのために、提灯《ちょうちん》も持とうという....
婦系図」より 著者:泉鏡花
しい若々しい髯を押揉んだ。ちと目立つばかり口が大いのに、似合わず声の優しい男で。気焔を吐くのが愚痴のように聞きなされる事がある。もっとも、何をするにも、福、徳と....
聖書」より 著者:生田春月
持になって、その聖書をまた手に取ってしきりに引っくり返しながら、いつになく盛んに気焔を挙げた。 帰る時に、僕があまりその聖書を熱心にいじくっていたものだから、....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
れる、おはまには悪くおもわれたくないてあいばかりだから、話は下火になった。政公の気焔が最後に振っている。 「おらも婿だが、昔から譬にいう通り、婿ちもんはいやなも....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
唯実験室内にのみ研究されていた。東海道の鉄道さえが未だ出来上らないで、鉄道反対の気焔が到る処の地方に盛んであった。 二十五年前には思想の中心は政治であった。文....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
、大に金のありそうな事を云ってすましている。それから、籐椅子に尻を据えて、勝手な気焔をあげていると、奥さんが三つ指で挨拶に出て来られたのには、少からず恐縮した。....
黒百合」より 著者:泉鏡花
だって法律で馬にゃあ乗れませんや、どうでげす。」 「はい、お茶を一ツ。」 大|気焔の馬丁は見たばかりで手にも取らず、 「おう、そんなもなあ、まだるッこしい。今....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
うして書いた通信の枚数は沢山だが、それで少しも修正の必要なく、文体も立派で、時に気焔万丈、行文の妙を極むるのであった。 『が、私は私の心が少しも利用されないとか....
三人の師」より 著者:上村松園
非常に文章のうまい人で、字も画以上にうまかった。 ほうぼうで演説をしたりして気焔をあげていたが、そのうち笈を負うて上京し、紅葉山人などと交友し、俳画で以て名....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
くなってからの口授作にも少しも意気消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証をして気焔を揚げておる。馬琴の衒学癖は病膏肓に入ったもので、無知なる田夫野人の口からさ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
達は残らず綺麗になりましたぜ、お庇様を持ちまして、女の子は撫切だと、呵々と笑う大気焔。 もっとも小僧の時から庄司が店で叩込んで、腕は利く、手は早し、それで仕事....
式部小路」より 著者:泉鏡花
かに人違いをするようなことはなかったろう。」 平生に似ず言もしどろで、はじめの気焔が、述懐となり、後悔となり、懺悔となり、慚愧となり、果は独言となる。 体温....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
ノサエ二年ブリト申スヨウナ訳デス、昔ハ御機嫌伺イトイウ事モアリマシタガ、今デハ御気焔伺イデスカラ、蛙鳴ク小田原ッ子ノ如キハ、メッタニ都ヘハ出ラレマセヌ、コノゴロ....