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「気無し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気無しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
んな気持ち」と言いました。すると僧は、顔色一つ動かさず、「枯木寒巌に倚る、三冬暖気無し」と言い放ちました。「まるで枯木が冷え切った岩に倚りかかったようなものさ、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、草履屋の家に一尾の鯉のあることをお糸は知っていたのです。お糸もその時は何の気無しに聴いていたんですが、その明くる晩に旦那の高山が同役を連れて来て、前に云っ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
狼を撲《ぶ》ちのめすだけの事、狼と番人とが四ツに組んで捻合《ねじあ》って居たら危気無しに背面から狼を胴斬《どうぎ》りにして終う分の事、という四本の鬮《くじ》の何....
連環記」より 著者:幸田露伴
遺憾無く現わされている。これでは如何に才学が有って、善良な人であっても、世間を危気無しには渡って行かれなかったろうと思われるから、まして官界の立身出世などは、東....
旧主人」より 著者:島崎藤村
私は鶏に餌をくれて、奥様の御部屋の方へ行って見ますと、御二人で御話の御様子。何の気無しに唐紙の傍に立って、御部屋を覗きながら聞耳を立てました。旦那様は御羽織を脱....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
なんていうと少し大袈裟なほめ方になってしまって、われながら閉口だが、とにかく、色気無しに親愛の情を抱かせる若い女は少いものではあるまいか。君も、もう竹さんに対し....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
立てば秋の風吹く 余等は春光台を下りて、一兵卒に問うて良平が親友小田中尉の女気無しの官舎を訪い、暫らく良平を語った。それから良平が陸軍大学の予備試験に及第し....
死までを語る」より 著者:直木三十五
家とかがあるのだから、そんな事は考えていなかったら、こういうブルジョアめ、昼間電気無しでいたのである。私が、杉田から引っ張って来たら 「私の所へも、私の所へも」....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《まじめ》にしているものを、とぼけた顔をし、剽軽《ひょうきん》な事を云い、軽く、気無しに、調子を浮かせてあやなしかける。それ故《ゆえ》、念に掛けて笑うまいとはし....
キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
に近付いて行ったものです。 すると間もなく大変な事が起りました。 永い間、男気無しのまま、人跡絶えたモノスゴイ山奥に、原始生活をして来た気の強い女……ことに....