気節[語句情報] » 気節

「気節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

気節の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
つつ》いて空洞《うつろ》にしていた。――瓶に挿《さ》す草と花がしだいに変るうちに気節はようやく深い秋に入《い》った。 日似三春永。 心随野水空。 牀頭花一片。....
運命」より 著者:幸田露伴
らかなるや、十二月に至りて、前軍都督府断事高巍書を上りて政を論ず。巍は遼州の人、気節を尚び、文章を能くす、材器偉ならずと雖も、性質実に惟美、母の蕭氏に事えて孝を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ですが、本来、田山白雲は、絵師たるべく絵師となったのではない。慷慨《こうがい》の気節もあり、縦横の奇才もないではないが、何をいうにも小藩の、小禄の家に生れたもの....
剣侠」より 著者:国枝史郎
間、彼は今更に澄江という女が、女らしい優しい性質の中に、毅然として動かぬ女丈夫の気節を、堅く蔵していることを知り、愛慕の情を加えると同時に、尊敬をさえ持つように....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
《はっきり》とは聞き取れないが、狂女お艶から出てこの界隈では近ごろ誰でも承知の狂気節《きちがいぶし》はお茶漬音頭、文政末年|都々逸坊仙歌《どどいつぼうせんか》が....
落日の荘厳に似る」より 著者:吉川英治
告をうけたりした。しごく人情もろい人であった。そのくせ古武士さながらのあの風貌と気節は、明治初年生れの年輪どおりもっともよい意味での明治人の象徴であった気がする....