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気転
「気転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
気転の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
うと、あとから直ぐ甘えたことをいう、そうされると又妙に憎くないものだよ。 あの
気転だから、話をしながら茶を拵《こしら》える、用をやりながらも遠くから話しかける....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
る、其のうちに安煙草の悪い臭気が余の居る所へまでも届いた。
第四十五回 拳骨と
気転
安煙草の臭気と共に星の様な光は段々と寄って来る、ハテな何の様な男だろう....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
この段は、あらかじめ教頭が心得さしたか、翁様がまた、そこらの口が姦いと察した
気転か。 「何か、お父様へ御託づけものがござりますで。」 「まあ、そう、」 と....
「海異記」より 著者:泉鏡花
「三ちゃん、お起きよ。」 ああ居てくれれば可かった、と奴の名を心ゆかし、女房は
気転らしく呼びながら、また納戸へ。 十四 強盗に出逢ったような、....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
上がれ、一太刀参らうと、冗談半分に、一本、釘を打って居るのである。此の場は家康の
気転で収ったが斯うした空気が常に二人の間に流れて居たことはわかる。 亦此の陣で....
「やんちゃオートバイ」より 著者:木内高音
四 ポピイとピリイとは、それはそれはモーティを可愛がりました。モーティは、
気転のきいたいい子でしたが、あんまり大事にされるのでだんだん甘ったれて来ました。....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
ンのように――は誰かの名文句を失敬したものである。作家というものは、それくらいの
気転が利かなきゃ駄目だと、梅野十伍は思っている。しかし一々こう註釈が多くては物語....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
づくりのお惣菜、麁末なもの、と重詰の豆府滓、……卯の花を煎ったのに、繊の生姜で小
気転を利かせ、酢にした※鰯で気前を見せたのを一重。――きらずだ、繋ぐ、見得がいい....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
からって、貴方が脱いだ外套をここに置きますよ。夜露がかかる、着た方が可いわ。 ※
気転きかして奥と口。 お蔦 (拍手うつ。) 天神様、天神様。 早瀬 何だ、ぶしつ....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
しばかり頭を持ちあげ、太い嗄れ声で訊きました。 「もう時が来たのか?」 博労は
気転をきかせて答えました。 「いやまだです。もうじきでしょう」 重い兜をかぶっ....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
やんと頼朝からもらつてきているのだが、源太のただならぬ顔色を見ると同時にさつそく
気転をきかして脚色をしてしまつた。しかし、源太はあくまでも源太だから悪く気をまわ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
れた。 「しめた」と峯吉が切り下ろした。 パ――ッ! 倒れた姿のままで、早速の
気転土を掬い、澄江は峯吉の顔へ掛けた。 「ワッ」 よろめき眼を抑え、引いたのに....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、紋也が刀を飛ばしたのである。紋也はハーッと息を呑んだが、窮して通ずるさっそくの
気転で、必ず今度こそは討って取ると、大上段に刀を上げて、切り下ろそうとしてのしか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で言いたいような素振が見えますが他の二人の男を憚って居るらしい。
それから私が
気転を利かしてある日お婆さんを先に立たして私は馬、二人の下僕は徒歩で出掛けました....
「活人形」より 著者:泉鏡花
打被せ、己が所業を蔽い隠して、白刃に袂を打着せながら洋燈の心を暗うする、さそくの
気転これで可しと、「誰だ。何誰じゃ。と呼懸くれば、答は無くて、「赤城様。得三様。....